音楽フェスで導入したいキャッシュレス決済サービスとは。注目ポイントや事例を紹介

朝から晩まで、次々に繰り広げられるミュージシャンの生演奏を楽しめる音楽フェス。音楽好きにはたまらないイベントです。来場者は基本的に丸1日、あるいは数日に渡って会場内に滞在するので、おなかが空いたり、出演アーティストのグッズを大量に買い込みたい衝動に駆られたりすることもあるでしょう。そういった場面で発生するのがお金のやりとりです。

最近の音楽フェスでは現金だけでなく、キャッシュレス決済も使えるのが主流です。来場者の利便性向上のためにオールキャッシュレスを採用するフェスも少しずつ増えてきています。

そうした流れのなかで、キャッシュレス決済の導入を考えたり、もっと使い勝手のいい決済サービスへの乗り換えを検討したりしている音楽フェス主催者もいるかもしれません。

この記事ではキャッシュレス決済を導入するメリットや決済サービスの選び方、音楽フェスでの導入事例などを紹介します。

目次


音楽フェスでキャッシュレス決済を受け付けるメリット

音楽フェスでのキャッシュレス決済導入は、来場者と主催者の利便性を高めるほか、売上拡大効果も期待できます。導入のメリットを詳しく見ていきましょう。

来場者の利便性・満足度が高まる

キャッシュレス決済が利用できれば、来場者は手持ちの現金で足りるだろうか……と心配する必要がなくなり、クレジットカードやスマートフォンなどでサッとお会計ができるようになります。

現金の残高を気にすることなく、おなかが空いたときに食べたいものを買える、刺激的な演奏を聴いたあとにそのミュージシャンのグッズを購入できるなどは、来場者の満足度向上にもつながるでしょう。

現金管理のコストや負担を減らせる

音楽フェスといえば都市型・郊外型に大きく分かれますが、交通が不便な山奥などでの開催だと、釣り銭を切らしてしまったときに大変な思いをするかもしれません。特に音楽フェスは夜通し行われる場合もあり、釣り銭が必要なタイミングで銀行が開いておらず対処ができないことも考えられます。こういった心配に加えて、両替にかかる手数料がコストとしてのしかかります。

また開催期間中、各ブースにいるスタッフは現金の保管についても気を遣わなければなりません。受け付ける現金の量が増えれば増えるほど、現金管理の負担も大きくなるでしょう。

キャッシュレス決済に対応しておくことで、現金の量を減らし、釣り銭や現金管理にかかる負担を軽減できます。

売上拡大が期待できる

現金のみの場合、来場者は財布のなかに入っている金額しか使えません。ATMを設置している会場もありますが、ATMが混み合っていたり、遠くにあったりする場合には、購入を諦める場面も出てくるでしょう。キャッシュレス決済に対応しておくとこういった機会損失が防げ、売上拡大が期待できます。

さらにクレジットカード決済だと現金と比べて客単価が2倍近く上がることが銀行系カード会社の業界団体の調査結果からわかっています。現金だったら我慢していたバンドのTシャツも、クレジットカード決済が使えるなら買ってしまおう……と購入率のアップが期待できます。

参考:クレジット利用額、現金の1.7倍(2018年2月27日、日本経済新聞)

音楽フェスでのキャッシュレス決済選びのポイント

音楽フェスにはどのようなキャッシュレス決済端末が向いているのでしょうか。検討時の注目ポイントを見ていきましょう。

持ち運びやすさ

音楽フェスにはさまざまな機材を持ち込む必要があるでしょう。荷物を増やさないためにも、搬入を少しでも楽にするためにも、決済端末はできるだけかさばらないものを選びたいところです。最近では手のひらサイズのモバイル決済端末も複数のサービスから提供されています。特に規模の大きいフェスだと100台以上用意しなければならないこともあるでしょう。小型のものなら持ち運びやすく、搬入も楽ちんです。

対応できるキャッシュレス決済の種類

決済サービスによっては電子マネーとクレジットカード決済を別々の端末で受け付けないといけないこともあります。一方で、1台でクレジットカード、電子マネー、QRコードなどさまざまな決済方法を受け付けられる端末もあるため、1台で複数の決済手段に対応できる端末を選ぶと台数が最小限に抑えられ、導入コストも抑えられるかもしれません。

充電方法とバッテリー

音楽フェスでは発電機や電源車などで電力をまかなうことが一般的でしょう。近年小規模の店舗でよく使われているモバイル決済端末には基本的にバッテリーが内蔵されており、ワイヤレスで使用できます。充電が必要なときはスマートフォンのようにUSBケーブルを使って、決済端末とACアダプタを接続し、アダプタをコンセントに差し込みます。

バッテリーの駆動時間が長ければ長いほど、充電を気にせず使用できるので、満充電になるまでの充電時間と駆動時間は目安までに確認しておくことをおすすめします。

導入コストや月額利用料

音楽フェスの規模にもよりけりですが、会場内のブースでキャッシュレス決済を受け付けるには数十台、動員数の多い会場だと数百台単位での導入が必要になります。端末が多ければ多いほど、導入コストは膨らむものです。キャッシュレス決済は近年、安価に導入できるようになってきましたが、それでも端末1台につき数万円ほどかかることがあります。予算を抑えるには、低価格で導入できる決済サービスに絞ってみてもいいかもしれません。決済サービスSquareの決済端末なら、1台5,000円以下で導入することができます。

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さらに音楽フェスは基本的に1年に1回、多くても数カ月に1回など、毎日のように開催されるわけではないため、月額利用料などの固定費が発生する決済サービスは不向きかもしれません。利用していないときは費用が発生せず、決済を受け付けたときにだけ決済手数料がかかる決済サービスなら、固定費などを気にすることなく導入でき、使い勝手もいいでしょう。たとえば前述のSquareがそれに当てはまります。

入金サイクル

音楽フェスの開催には会場費、機材費、ミュージシャンの出演費、チケットの販売手数料など、合計すると数百万円から数千万円、規模によっては数億円かかることも稀ではありません。開催費用がかさむため、売り上げはできるだけ早く回収したいところです。このときに注目したいのが、入金サイクルです。入金サイクルは決済サービスごとに異なり、翌々月末支払いの場合もあれば、翌営業日の場合もあります。見逃しがちな点ですが、必ず確認しておくことをおすすめします。ちなみに決済サービスSquareだと、売り上げは最短翌営業日に振り込まれます。

音楽フェスでよく利用されるキャッシュレス決済

近年のキャッシュレス決済の利用状況を簡単に振り返っておきましょう。三菱リサーチ&コンサルティングの2022年2月の調査資料によると、キャッシュレス決済を「よく利用している」と回答した人は、64%もいました。2019年12月時点での割合は54%で、2年ほどで10%も上昇していることがわかります。このような傾向から音楽フェスにキャッシュレス決済が導入されることも珍しくなく、基本的には以下の決済方法を導入しているところが多いようです。

  • クレジットカード決済
  • QRコード決済
  • 電子マネー決済
  • 交通系電子マネー決済

同調査では「比較的利用する頻度の高いキャッシュレス決済手段(※)」も対象者に聞いており、結果は以下の通りです。

※複数回答可

  • クレジットカード決済:81%
  • QRコード決済:51%
  • 電子マネー決済:50%
  • 交通系IC決済:34%

参考:「キャッシュレス決済の動向整理」(2022年9月16日、三菱リサーチ&コンサルティング)

上記を踏まえたうえで、それぞれの特徴をおさらいしておきましょう。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、長年親しまれてきた定番のキャッシュレス決済方法です。日本では、以下五つの国際ブランドのクレジットカードが普及しています。各ブランドの国内シェアを見てみましょう。2020年に発表されたイプソス株式会社の調査結果を参照しています。

  • Visa(50%)
  • JCB(28%)
  • Mastercard(17%)
  • American Express(3%)
  • Diners Club(0.3%)

参考:キャッシュレス決済大規模調査の結果を発表脱クレカが起きている?QRコード決済利用は躍進(イプソス株式会社)

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QRコード決済

近年、利用者数と利用できる店舗数が急激に増加している、QRコード決済。専用アプリを開き、お客さまがお店のQRコードをスキャンするか、お客さまのバーコードをお店がスキャンすることで決済が完了します。代表的なサービスにはPayPayが挙げられます。

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電子マネー決済

電子マネーはその名の通り、電子化されたお金のことを指します。電子マネーとひと口にいっても種類はさまざまで、利用額を事前にチャージして使用するもの、口座を紐づけると即時で利用額が引き落とされるもの、クレジットカードを紐づけて後払いするもの、と三つのタイプがあります。

サービスによっては前払いも、即時払いも、後払いも可能なものもあれば、事前にチャージしておかないと使えないものもあります。

電子マネーには以下のようなサービスが含まれます。

  • iD(前払い、即時払い、後払いに対応)
  • QUICPay(前払い、後払い、即時払いに対応)
    など

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交通系電子マネー決済

交通系電子マネー決済は名前から想像できるように、鉄道会社が発行する電子マネーを使用した決済方法です。交通系ICカード、またはスマートフォンの交通系アプリを通して決済する方法で、基本的にはどれも事前に利用額をチャージしたうえで使用します。代表的なものはSuicaやPASMOです。前述のiDやQUICPayなどと合わせて電子マネーとして括られることもありますが、ここでは分けて説明しています。

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キャッシュレス決済を導入している音楽フェスの事例

実際にキャッシュレス決済を導入している音楽フェスの事例を見ていきましょう。

フジロックフェスティバル

日本最大級の野外音楽フェスであり、2023年には11万人以上を動員した、フジロックフェスティバル。国内の音楽フェスの先駆けといわれており、キャッシュレス決済もいち早く導入しています。

キャッシュレス決済に対応しはじめたのは2010年で、2022年以降はすべての飲食ブースを現金なしのオールキャッシュレスに一新。2019年の時点で、来場者の半数以上がキャッシュレス決済を使用していたことからも需要の高さがうかがえます。会期中はバケツをひっくり返したような激しい雨が降ることもあり、お札がビショビショ!という経験をした来場者もいるかもしれません。キャッシュレス決済が使えるようになったことで、このようなストレスも軽減されていることでしょう。

参考:
オールキャッシュレス決済で身軽に会場内を満喫!(2023年7月14日、FUJI ROCK FESTIVAL 2023)
FUJI ROCK FESTIVAL’23 終了のご報告(2023年8月1日、FUJI ROCK FESTIVAL 2023)

ULTRA JAPAN(ウルトラジャパン)

国内のダンスフェスティバルのなかで最も動員数が多いとされている、ULTRA JAPAN。2014年以降東京・お台場で毎年開催されている都市型フェスです(2020年、2021年を除く)。2022年まで飲食エリアは現金のみでしたが、2023年にはほとんどのブースでキャッシュレス決済が使えるようになりました。

参考:
Previous Line-Up (Ultra Japan)
Ultra Japan 2023年9月16日の投稿(X)

SUMMER SONIC(サマーソニック)

サマソニの愛称で知られている夏フェスの代表格、SUMMER SONIC。開催場所は千葉・幕張と大阪・舞洲で、都市型フェスのうちの一つに数えられます。SUMMER SONICでは、2019年からキャッシュレス決済を全面導入しており、飲食ブースはもちろん、グッズの購入やクローク代の支払いもキャッシュレスで支払うことができます。

参考:FAQ SUMMER SONIC

Sónar Festival(ソナーフェスティバル)

海外の事例も見てみましょう。スペイン・バルセロナ発のソナーフェスティバルは、エレクトロニックミュージックを中心とした音楽フェスです。音楽はもちろん、舞台上などでは先端のテクノロジーを駆使した演出が施されることでも有名です。これまで20カ国以上、34都市にて開催されており、2023年6月にバルセロナで催された際の動員数は12万人だったと発表されています。

ここでは入場用のリストバンドに決済システムが搭載されており、来場者はリストバンドを使って支払いを済ませます。専用のウェブサイトを通じてクレジットカード、またはデビットカードからリストバンドにチャージできるシステムになっており、手ぶらでフェスを楽しむことができます。

参考:
The only method of payment for all purchases at Sónar 2023 is SonarCashless(Sonar 2024)
Sonar: Barcelona 15-17th of June 2023(Cyclic Defrost)

音楽フェスにはSquare

キャッシュレス決済が当たり前となりつつある音楽フェス。導入を検討している主催者におすすめなのが、決済サービスのSquareです。

前項でも紹介した検討ポイントをもとにSquareの特徴を見ていきましょう。

持ち運びやすさ

Squareが提供している最も小型な決済端末「Square リーダー」は手のひらにすっぽり収まるサイズ。レシートプリンターが内蔵された「Square ターミナル」は片手で持てるサイズで、どちらもかさばらない大きさです。双方ともワイヤレスで使えるので、持ち運びやすく、音楽フェスに適しています。

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▲Square リーダー

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▲Square ターミナル

対応できるキャッシュレス決済の種類

Squareの決済端末は1台で音楽フェスでよく使われるキャッシュレス決済手段(クレジットカード決済、電子マネー決済、交通系電子マネー決済、QRコード決済)に対応できます。各種決済方法と決済手数料は以下の通りです。

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充電

Square リーダーとSquare ターミナルはどちらもバッテリーを内蔵しています。Square リーダーはおおよそ2時間、Square ターミナルは5時間程度充電すると、満充電状態になります。使用状況にもよりますが、どちらも1日の営業時間の間は充電が保つ設計になっています。

参考:
Square リーダーに関するFAQ(Square)
Square ターミナルのトラブルシューティング

導入コストや月額利用料

Squareの導入コストは端末代金のみです。手のひらにおさまるコンパクトなサイズのSquare リーダーと、レシートプリンターが搭載されたSquare ターミナルの端末代金は以下の通りです。

  • Square リーダー:4,980円(税込)
  • Square ターミナル:39,980円(税込)

上記のほかに据え置き型の端末「Square スタンド」もあるので、ニーズに応じて検討するといいでしょう。Square スタンドの端末代金は以下です。

  • Square スタンド:29,980円

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▲Square スタンド

どの端末を導入した場合も月額利用料はなく、決済が発生した時のみ決済手数料がかかります。

入金サイクル

Squareで受け付けた決済額は最短翌営業日に振り込まれるので、売り上げの回収まで何週間も待たずに済みます。

Squareを導入するには

Squareの導入にまず必要なのは、Squareの無料アカウントです。こちらのページから数分で作成できます。審査に無事通過すると、決済(※)が受け付けられるようになります。

決済端末の購入は、Square ショップから行いましょう。通常2、3営業日で発送されますが、時間に余裕を持って注文することをおすすめします。

※詳しくはこちらからご確認ください。

Squareは以下の音楽フェスで導入されています。

  • SUMMER SONIC
  • ULTRA JAPAN
Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

カード決済、タッチ決済、電子マネー決済、PayPayのQRコード決済が簡単に始められます

コロナ禍でしばらく開催を見送っていた音楽フェスが次々と再開しているなか、現金のみだったフェスもキャッシュレス決済に対応しはじめるようになりました。新たに導入を考えている主催者にも、コストを抑えたいと考えている主催者にもおすすめなのがSquareです。端末が小型で持ち運びやすいところも、1台5,000円以下で導入できるところも大きな魅力です。詳しくはこちらからご確認ください。


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執筆は2023年10月15日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash