近年では決済端末の選択肢が増え、クレジットカード決済に対応するうえで、「どの端末が自店舗に合っているのだろう……」と迷う店舗オーナーも少なくないかもしれません。
この記事では、CAT端末と呼ばれる決済端末の基本から種類やメリット、近年よく見かけるモバイル決済端末との違い、導入方法まで解説します。自店舗と相性のいい決済端末を見極めるうえで、参考にしてみてください。
目次
- CAT端末とは
- CAT端末の種類
・据え置き型
・ポータブル型 - CAT端末を利用するメリット
・さまざまなキャッシュレス決済に対応できる
・機会損失を防げる
・売上拡大につながる - CAT端末とモバイル決済端末の違いを比較
- CAT端末の導入方法
・カード会社と直接契約をする
・決済代行会社を利用する
CAT端末とは
CATはCredit Authorization Terminal(信用紹介端末)の頭文字を取った単語です。わかりやすくいうと、お客様のクレジットカードの有効性を確認するための端末です。
CAT端末では、主に以下をもとにクレジットカードの有効性を確認します。
- クレジットカードの有効期限が切れていないか
- クレジットカードの限度額に達していないか
- 利用が止められていないか
- 不正利用ではないか
など
店舗でクレジットカード決済をするとき、端末にカードを差し込んでから決済が完了するまで、少し時間がかかることがあります。CAT端末ではこのとき、クレジットカードの有効性を確認しています。この確認作業は「オーソリゼーション(以下、オーソリ)」と呼ばれ、オーソリの承認を経てから決済は完了します。
CAT端末の種類
CAT端末といえば、レジに据え置くタイプを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、最近では持ち運べるポータブル型も登場しています。それぞれの違いを見ていきましょう。
据え置き型
レジカウンターの上に置いてあるCAT端末を「据え置き型」といいます。飲食店やデパートなどで見かけたことがある人も多いかもしれません。
据え置き型のCAT端末の導入には1、2カ月ほどかかることが多く、理由の一つとして配線工事が必要なことが挙げられます。据え置き型では電話回線やLAN回線を使うため、回線を開通するための工事が入ります。
工事費や端末代金を合わせた初期費用は数十万から数百万円ほどに及ぶため、複数店舗や大型店舗を経営する大規模事業者向けの決済端末だといえるでしょう。
ポータブル型
屋外イベントや移動販売などでの利用を検討している人には、ポータブル型のCAT端末がおすすめです。Wi-Fiや4G回線を使用するワイヤレスなタイプのため、どこへでも持ち運べ、工事の必要もありません。据え置き型のCAT端末と比べて、短い導入日数ではじめられることも特徴的です。
たとえばSquare ターミナルなら、クレジットカード決済はもちろん、端末にはレシートプリンターとPOSレジが搭載されているので、これ一台で決済まわりが完結します。セキュリティー面でも、国際的なクレジットカード業界におけるセキュリティー基準、PCI DSSのレベル1に準拠しているので、お客様のカード情報を安心して取り扱うことができます。
▲Square ターミナルを利用している様子
屋外の利用に限らず、店舗の印象を整えるうえでも、ポータブル型は一役買います。たとえば据え置き型の場合、レジスターとつながった配線が見えてしまうとレジ周りが雑然とした印象になります。ワイヤレスのポータブル型ならレジ周りをスッキリ見せることができます。また、テーブル会計をしたい飲食店にも、お客様のもとまで持ち運べるポータブル型は向いているでしょう。
それぞれの違いは以下の表からおさらいしましょう。
据え置き型 | ポータブル型 |
---|---|
店舗での利用に限る | 店舗・屋外で利用できる |
持ち運び不可 | 持ち運び可 |
工事が必要 | 工事が不要 |
導入には1、2カ月かかる | 導入は数日から数週間ほど |
電話回線、有線LAN回線を利用する | Wi-Fi、モバイルネットワークを利用する |
CAT端末を利用するメリット
前章では、据え置き型とポータブル型のどちらが自店舗に向いているのか、ある程度判断ができたかもしれません。ここではいずれにも共通するメリットを見ていきましょう。
さまざまなキャッシュレス決済に対応できる
最近ではクレジットカードに限らず、交通系ICや電子マネーでの決済も受け付けられるCAT端末(マルチ決済端末と呼ばれることもあります)が次々と登場しています。以前まではクレジットカード決済にしか対応していない端末も多くありましたが、マルチ決済端末ならたった一つの端末で複数のキャッシュレス決済に対応できるようになります。
カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台
全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。
機会損失を防げる
PayPay銀行株式会社が2021年に実施した調査では、「財布を持たずに、スマホやカードだけを持って出かけることがありますか」という問いに対して「ある」と答えた人が43%もいました。
参考:コロナ禍のキャッシュレス決済利用と預貯金に関する意識・実態を調査(2021年9月6日、PayPay銀行株式会社)
現金払いにしか対応していない場合、知らぬ間にこのようなキャッシュレス派層を取りこぼしている可能性があります。現金以外の決済方法を希望するお客様にも変わらず商品やサービスを提供していくためにも、さまざまな決済方法に対応しておくことが大切だといえます。
売上拡大につながる
銀行系カード会社の業界団体がまとめた調査結果によると、「小売店や飲食店でクレジットカード決済を利用する人は現金払いをした人より1.7倍多く使う」という結果が出ています。
参考:クレジット利用額、現金の1.7倍(2018年2月27日、日本経済新聞)
クレジットカード決済には決済手数料がかかることから、導入に二の足を踏む事業者も少なくないかもしれません。ただし上記の調査結果にもあるように、クレジットカード決済への対応は客単価を上げ、全体の売上アップにつなげていく方法の一つとも考えられます。
CAT端末とモバイル決済端末の違いを比較
ここまでは主にCAT端末の特徴を見てきましたが、CAT端末のほかに、近年中小規模の店舗を中心に注目を集めている「モバイル決済端末」があります。低コストで簡単に導入できることから、CAT端末と並行して検討している人もいるかもしれません。
▲モバイル決済端末、Square リーダーを使用したイメージ
モバイル決済端末は、スマートフォンやタブレットと組み合わせて利用する決済端末です。利用する際にはタブレットなどのBluetooth接続を利用して、無線で決済端末とつなげます。
CAT端末とモバイル決済端末の違いは、以下の表から見てみましょう。
CAT端末 | モバイル決済端末 | |
---|---|---|
必要なもの | CAT端末 | ●モバイル決済端末 ●スマートフォンorタブレット |
初期費用 | 数十万円程度 | 無料から |
端末代金 | 10万円から20万円程度 | 8,000円から2万円程度 |
接続回線 | <据え置き型> ●電話回線(アナログ回線、ISDN回線、光回線) ●有線LAN <ポータブル型> ●4G、LTE(モバイル通信) ●Wi-Fi(無線LAN) |
●4G、LTE(モバイル通信) ●Wi-Fi(無線LAN) |
導入までの期間 | 1カ月から2カ月程度 | 最短即日から1カ月ほど |
月額利用料金 | サービスごとに異なる | 無料から(決済手数料を除く) |
コストを抑えたい、あるいはできるだけ早く導入したいと考える人にはモバイル決済端末が向いているといえるかもしれません。モバイル決済端末なら、端末代金もCAT端末ほど高くないため、よりお手頃にキャッシュレス決済に対応することができます。
モバイル決済の場合、導入期間がぐっと短くなる理由として、回線工事が不要な点が挙げられます。接続には4GやLTEなどのモバイル通信を利用するか、Wi-Fiを利用しましょう。
▼モバイル決済について詳しくは:
モバイル決済を導入してビジネスシーンにフル活用させましょう。
CAT端末の導入方法
CAT端末を導入するには、二つの方法があります。
カード会社と直接契約をする
一つ目は、利用したいクレジットカード会社の「加盟店契約会社(以下、アクワイアラー)」と直接契約を結ぶことです。
直接契約の特徴は、カードブランドごとにアクワイアラーが異なる点です。言い換えると、VisaとMastercardの両方に対応したい場合は、VisaとMastercard、それぞれのアクワイアラーと契約を結ぶ必要があります。
直接契約だと、決済手数料を安く抑えられるよう交渉できるというメリットがありますが、複数のカードブランドに対応する場合、手続きに手間がかかるという弱点もあります。また、入金日はアクワイアラーごとに異なるので、売上管理も煩雑になる可能性があります。さらには加盟店審査が厳しく、中小規模の店舗だと通りにくく、直接契約は大規模の事業者に利用されることが多いようです。
決済代行会社を利用する
二つ目は、決済代行会社を経由して契約を結ぶことです。決済代行会社は、複数のクレジットカード会社と加盟店の間に立ち、加盟店審査や手続き、売上金の管理などを行います。
決済代行会社を利用する一番のメリットは、複数のクレジットカード会社とワンストップで契約を結べる点です。
決済代行会社によってはクレジットカード決済に限らず、QRコード決済や電子マネー、交通系ICも合わせて導入することができます。対応できるキャッシュレス決済はサービスごとに異なるので、詳しくは検討している決済代行会社のウェブサイトを確認するといいでしょう。
たとえば決済代行会社のSquareに申し込むと、以下の決済方法に対応できるようになります(※)。
※利用を開始するには加盟店審査に通過する必要があります。
売上額の入金日もカードブランドごとに異なることがなく、決められた日にまとめて振り込まれるので管理もしやすいです。Squareだと売上額は最短翌営業日に振り込まれます。
CAT端末に限らず、前章で紹介したモバイル決済端末も決済代行会社を経由して申し込むことができます。
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この記事ではクレジットカード決済を受け付けられるCAT端末について説明してきました。据え置き型とポータブル型の違い、また、CAT端末とモバイル決済端末の違いを知ることで、自店舗にどの端末を導入したいかがある程度見えてきたかもしれません。
Squareでは、ポータブル型のCAT端末(Square ターミナル)とモバイル決済端末(Square リーダー)を提供しています。早ければ即日で利用をはじめられるので、短い期間でキャッシュレス決済に対応したいと考える店舗オーナーにはおすすめです。無料でネットから申し込むことで、キャッシュレス決済の導入に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
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Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2018年10月17日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に記事情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash