ファクタリングは、ときに資金繰りが難しくなりがちな小規模事業者にとって、資金繰りを柔軟にし、事業の安定を図るための重要な手段の一つです。多くの小規模事業では、資金繰りの問題が事業の成長を妨げるだけでなく、事業の継続が難しくすることもあります。
ファクタリングを使えば、売掛金を現金化し、新たなビジネスチャンスの追求、在庫や設備投資、緊急の支払いへの対応などのための事業資金を迅速に調達できるようになります。また、資金繰りが安定することで、経営上の不確実性を減らし、長期的な計画を立てやすくなります。
定評のあるファクタリング会社のサービスを利用するにあたって、審査は避けて通れません。資金調達を急ぎたい場面では特にファクタリングの審査はスムーズに通過したいところです。
本記事では、ファクタリングの審査基準、審査落ちしないためのコツ、ファクタリングの所用期間や手数料について説明します。また、記事の最後で、ファクタリングと同様に、資金繰りを柔軟にする効果のあるSquare 請求書についても紹介しますので、ファクタリングと合わせて利用を検討してみてください。
目次
- ファクタリングとは?
- ファクタリングの審査基準
- ファクタリングで審査落ちせずに通過するコツ
- 審査が通りやすいファクタリングサービスの特徴と見分け方
- ファクタリングの審査は即日で完了する?
- ファクタリングの手数料はどれくらいかかる?
- 審査なしのファクタリングはおすすめしない
- ファクタリングを利用する前に検討したい、Square 請求書
ファクタリングとは?
ファクタリングは古くから存在し、企業が直面する資金繰りの課題に対処するための解決策として利用されてきました。金融庁は「事業者が保有している売掛債権などを期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約」であると定義しています。
ファクタリングの歴史
ファクタリングの歴史は古く、誕生は紀元前ローマ時代ともいわれています。現代のファクタリングは、数百年前にイギリスで始まりました。17世紀にイギリスからアメリカに移民が渡り、アメリカとイギリスで商取引が行われるようになる中で、ファクタリングは支払いを保証する手段として利用されるようになりました。
ファクタリングは数世紀にわたって進化を続けてきました。昨今では、インターネットが普及し、オンラインで完結するファクタリングが可能になり、また、ビッグデータの処理やAI技術が実用化される中で、人手を介さない審査プロセスが取り入れられ、ファクタリングの審査にかかる時間が短縮される傾向にあります。
日本でのファクタリングの普及は遅く、1970年代にアメリカから日本に入ってきたといわれています。当時、手形を使った取引が一般的だった日本では、ファクタリングが広く浸透することはありませんでした。また、ファクタリングに対するネガティブなイメージも広がりを見せなかった背景にあったようです。
その後、日本では法改正で債権を譲渡しやすくなり、ファクタリングが注目されるようになりました。インターネットの普及やデジタル技術の進展も、ファクタリングが認知される後押しとなりました。現在では、ある程度の規模の企業だけでなく、個人事業主やフリーランサーを含む小規模事業者を対象としたファクタリングサービスが提供されています。
ファクタリングの種類
ファクタリングには、事業者とファクタリング会社の2社が関わる「2社間ファクタリング」と、事業者とその取引先、ファクタリング会社の3社が関わる「3社ファクタリング」があります。
2社間ファクタリングは、小規模事業者が利用することの多いサービスです。2社間ファクタリングでは、事業者が取引先に提出した請求書や必要情報をファクタリング会社に提出し、資金を調達します。事業者は取引先からの支払いを受け取って、ファクタリング会社に資金を支払い、取引が完了します。2社間ファクタリングのメリットは、取引先にファクタリングを利用していることを知られない点にあります。また、関係者の数が少ないため、審査にかかる時間は3社間ファクタリングと比べて短く、迅速に資金を調達できるというメリットもあります。
ただし、ファクタリング会社は取引先に対しての請求はできないため、リスクが高く、3社間ファクタリングと比べて手数料は高くなる傾向にあります。3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社は取引先に対して請求を行います。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングを利用することで、事業者は、取引先からの支払いを待たずに資金を調達できます。これにより、資金が逼迫する状況を避けられるほか、新しい仕事に挑戦するための機材を購入するなど、事業の成長に欠かせない投資もできるようになります。
ファクタリングの審査基準
ファクタリングの審査は、小規模事業主が資金を迅速に調達する上で、避けて通れないプロセスです。審査プロセスでは、ファクタリング会社が複数の要因をもとに個々のケースのリスクを評価し、契約の可否を決定します。審査基準を知っておくことで、適切にファクタリングを申し込むことができ、資金調達がスムーズになります。ここでは、ファクタリングの審査における主要な基準について説明します。
売掛先の信用度の高さ
売掛先とは、ファクタリング申請者が請求書を送付したクライアントのことです。売掛先の信用度が低いと、ファクタリング会社は資金を回収できる可能性が低くなるため、売掛先の信用度はファクタリングの審査において最も重要な要素の一つです。
ファクタリング会社は、売掛先が安定した財務状態にあり、適切な支払い能力があるかを評価します。この評価は、売掛先が安定した企業や組織と取引をしているか、過去に財務問題を抱えたことがないかなど、さまざまな観点から行われます。信用度の高い売掛先との取引は承認される確率が高く、より有利な条件でのファクタリングが可能になる場合もあります。
売掛先との取引実績・期間
ファクタリング申請者が、売掛先と長期間にわたって安定した取引を行っていると、ファクタリングの審査において肯定的な要素とみなされます。過去の取引が問題なく行われている場合、ファクタリング会社はその取引関係を信頼する傾向にあります。特に定期的かつ頻繁に取引が行われている場合、資金が回収できる可能性が高いことから、承認される確率が高くなります。
売掛金の支払い期日
売掛金の支払い期日もファクタリングの審査に影響を与える要因で、一般的に、支払い期日が近い売掛金は、ファクタリング会社にとっての資金回収の確実性が高まり、リスクが低いとみなされます。逆に、支払い期日が遠い売掛金は、支払い期日までに不測の事態が起こる可能性があり、支払い期日の近い売掛金と比べてリスクが高いものとして扱われます。つまり、支払い期日が近いほど、審査に有利に働き、支払い期日が遠い売掛金は、審査で不利になる可能性があります。
不正な売掛金ではないか
不正な売掛金とは、存在しない取引の売掛金や、詐欺的な行為による売掛金をさします。ファクタリング会社は、審査プロセスにおいて、売掛金の合法性や正当性を確認するために、取引の背景や関連情報を精査します。
譲渡可能な債権かどうか
ファクタリングを受けるにあたって、当該の売掛金は譲渡可能な債権でなければなりません。契約上、売掛金の譲渡が禁止されていたり、特定の条件下でのみ譲渡可能だったりすることもあるので、ファクタリングを利用するにあたって確認が必要です。もし売掛金が譲渡可能でない場合、ファクタリングには適していません。ファクタリング会社は、法的なトラブルを避けるため、売掛金が譲渡可能であることを確認し、そうでない場合は申し込みを却下します。
ファクタリングで審査落ちせずに通過するコツ
資金繰りが逼迫している状況でファクタリングの利用を検討することも少なくありません。事業継続のためにもファクタリングの審査にスムーズに通り、資金を調達したいところです。ファクタリングの可否は多くの要素によって決定されるため、審査を通過するためには適切な準備と理解が必要です。ここでは、ファクタリングの審査をスムーズに通過するための実用的なコツについて説明します。
ファクタリングの審査の通過率
ファクタリングの審査の通過率は、サービスによって異なります。一般的に、高い通過率を持つファクタリング会社は、柔軟な審査基準を設けています。個人事業主やフリーランサーが利用できるサービスも少なくありません。中には審査の通過率が90%を超えるサービスもあります。
ただし、審査の通過率が高いことは、必ずしも良い条件を意味するわけではありません。場合によっては、売掛金に対して少額しか資金を調達できなかったり、高い手数料や何らかの制限が伴ったりすることがあります。たとえば、リスクの高い売掛金であれば、売掛金100万円に対して、10万円しか資金調達できないことも。このようなケースも審査を通ったとして、ファクタリング会社が公開する審査の通過率の値に含まれています。ファクタリングの利用にあたっては、審査の通過率という数値だけでなく、サービスの全体的な条件を検討することが重要です。
信用度の高い売掛金を使う
信用度の高い売掛金を使用することは、審査を通過するための鍵です。信用度の高い売掛金とは、安定していて信頼性の高い大企業に対する売掛金や、これまでに支払い実績のある企業に対する売掛金のことです。売掛金が複数ある場合には、大企業に対する売上金や、長期間に渡って取引をしている企業や頻繁に取引をしている企業との売掛金を優先してファクタリングの申し込みに使用するとよいでしょう。
支払い日が近い売掛金を使う
支払い期日が近い売掛金を使ってファクタリングを申し込むと、審査で有利になるでしょう。支払い期日が近いほど、ファクタリング会社にとって資金回収のリスクが抑えられることから、よい評価を受けられます。たとえば、30日以内に支払われる見込みの売掛金と、2カ月先に支払われる見込みの売掛金がある場合、前者を選ぶことで、審査の通過確率を高めることができます。
審査の通過率が高いファクタリング会社を選ぶ
審査の通過率が高いファクタリング会社を選ぶと、ファクタリングの申し込みが成功する可能性が高いです。これらの会社は通常、比較的柔軟な審査基準を設定していて、個人事業主を含む小規模事業者が利用しやすいサービスを提供していることもあります。
ただし、通過率が高い一方で、調達できる金額が少なかったり、手数料や利息が高く設定されていたりすることもあるため、どのくらいの資金が、どのくらい緊急に必要なのか、いくらまで費用を許容できるのかなど、通過率にとらわれすぎずに総合的にサービスを判断する必要があります。
複数社に審査を申し込む
ファクタリングの利用が広がる中で、個人事業主やフリーランサー、小規模事業者でも利用できるさまざまなファクタリング会社があります。時間や人手に余裕がある場合には、複数のファクタリング会社に審査を申し込むことで、資金調達の確率を上げられます。1社からの却下された場合でも、他の選択肢が残ります。また、複数社の審査を通過すれば、最適な条件を提供する会社を選ぶこともできます。
審査が通りやすいファクタリングサービスの特徴と見分け方
ファクタリングの審査をスムーズに通過するためには、ファクタリングサービスの特徴を理解し、サービスを見極める必要があります。審査が容易なファクタリングサービスは、ビジネスの種類や規模に関わらず、迅速な資金調達を可能にする一方で、特定の条件やコストが伴う場合があります。ここでは、よりよいサービスの見分けるための主要な特徴について説明します。
必要書類が少ない
審査が通りやすいファクタリングサービスの特徴として、必要とされる書類が少ないことが挙げられます。必要書類が少ないサービスの中には、請求書と本人確認書類のみの提出で利用できるサービスもあります。これらに加えて、取引先からの支払いの実績を証明する書類を求められることもあります。
必要書類が少ないことで、細かな点から評価が下がる可能性が少なく、ファクタリングの審査を通過しやすくなります。また、審査プロセスが簡素化されていることから、一般的に審査のスピードが速く、中には即日申し込みが承認されるサービスもあります。
調達できる金額や手数料、利子には注意が必要ですが、必要書類が少ないことで、申し込みを行う事業者は時間と手間を節約でき、業務効率の向上期待できます。
オンラインで完結する
オンラインで完結するファクタリングサービスは、審査プロセスを大幅に簡素化・迅速化します。このような新しいタイプのファクタリングサービスでは、伝統的な対面や書類ベースの審査プロセスがなくなり、事業者はウェブサイトやアプリケーションを通じて必要な情報を提出します。フォームに基本情報を入力して、書類をアップロードし、数クリックで申し込みまで完了するのも不可能ではありません。中にはAIによる審査を行なっているファクタリング会社もあります。
ファクタリングのデジタル化はファクタリング会社の業務効率や費用削減にもつながることから、よりリスクの高い案件も承認できるようになり、審査においてより多くの案件を承認することでしょう。事業主にとって、オンラインで完結するサービスは、通過率の高さに加えて、手間と時間を削減できる利点もあります。
買取手数料が高く設定されている
審査を通りやすくし、さまざまな案件を承認すると、中にはリスクの高い案件もあります。このような案件で資金回収ができない場合があることも想定して、審査の通過率の高いファクタリング会社は全般的に高い買取手数料を設定します。このため、買取手数料が審査の通過しやすさの目安になります。
審査は通過しやすくても買取手数料が高くては、事業の収益に大きな影響を与えかねません。ただし、急な資金調達を必要としている場合など、高い手数料を払ってでも確実かつ迅速に資金調達をしたいこともあり、状況に応じて審査の通過率を重視するか、手数料の安さを重視するかといった判断が必要です。
買取可能額の設定が低い
ファクタリングサービスによっては、売掛金の買い取り金額の上限を設定していることがあり、買取可能額が低く設定されているファクタリングサービスも、審査が通りやすい傾向にあります。ファクタリング会社がリスクを分散し、より多くの小規模な申し込みに対してサービスを提供するためです。
小規模な売掛金を多く持つ個人事業主にとっては、このようなサービスが有利な場合があります。たとえば、小さい規模の仕事を請け負うフリーランサーが数万円の売掛金を持っている場合、買取可能額の設定が低いサービスを利用するのが最適な選択となることもあります。ただし、大規模な資金調達を必要とする場合は、このタイプのサービスは不向きなので、調達したい資金の金額に合わせて検討する必要があります。
ファクタリングの審査は即日で完了する?
ファクタリングは事業における資金需要を満たすための手段として、利用が広がりつつありますが、事業者としては、審査プロセスにどのくらいの時間がかかるのか気になるところです。特に資金繰りが緊急を要する場合、審査期間は事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。ここでは、ファクタリングの審査にかかる日数について見てみましょう。
ファクタリングの審査にかかる日数
ファクタリングの審査期間は、ファクタリング会社や申し込みの具体的な条件によって異なりますが、 一般的には数日かかると考えておくとよいでしょう。急ぎのニーズに対応するために即日審査を提供するサービスも存在します。即日審査を実現するために自動化システムや、AIの利用といった効率的なプロセスを導入している会社もあります。審査をする担当者の裁量による部分が少なく、公平な審査を期待できます。
即日審査を提供するファクタリング会社の場合、申し込みが完了し、必要な書類を提出して数時間以内に審査結果が出ます。小規模な売掛金やリスクが比較的低いと見なされる取引で多いケースです。たとえば、ある小規模事業者が大手企業からの売掛金でファクタリングに申し込んだ場合、信頼性が高く、資金回収の可能性の高い取引として、迅速に審査が完了することでしょう。
一方で、大規模な取引や複雑な財務状況を持つ事業に関する申し込みは、より長い審査期間がかかる傾向にあります。この場合、ファクタリング会社は提出された書類の詳細な分析、売掛先の信用調査、場合によっては追加情報の要求など、より厳密な審査プロセスを実施します。たとえば、事業を始めてまもない事業主が、初めての大規模の売掛金でファクタリングを申し込んだ場合、ファクタリング会社は調査に時間を要し、ファクタリングの審査にかかる日数も長くなります。
事業者にとっては、審査期間は最小限に抑えたいところです。審査期間を短くするには、提出書類を事前に準備し、ファクタリング会社に必要な情報を完全かつ正確に提供するとよいでしょう。
また、事業の特性や必要とする資金の緊急度を考慮し、審査期間の短いファクタリングサービスを選択することも一つの戦略です。しかし、審査期間の短さと引き換えに手数料が高くなることもあります。このため、費用と審査スピードのバランスを考慮した上で適切なサービスを選択する必要があります。
ファクタリングを利用する可能性のある人は、時間に余裕のあるときに、各社のサービスを比較しておくと、いざ資金が必要になった場合に慌てずにサービスを利用できるでしょう。
ファクタリングの手数料はどれくらいかかる?
ファクタリングを利用するにあたって、手数料は重要なコスト要素となります。ファクタリング手数料の額は、サービス提供者、取引の種類、リスクの度合いなどによって異なり、手数料が高額であればあるほど、事業の収益性に影響を与えます。
ファクタリングの手数料は、売掛金の金額や質、取引先の信用度、資金需要の緊急性などによって異なりますが、一般的に、ファクタリングの手数料は売掛金額の数%から10%ほどで設定されることが多いようです。ただし、この範囲はあくまで一般的な指標であり、場合によってはこの範囲を超えることもあり、中には数10%の手数料をとるサービスもあります。
売掛金の総額が大きいほど、ファクタリング会社が負うリスクが増加するため、手数料は高くなる傾向にあります。また、売掛金の質、つまり売掛先の信用度が低い場合や支払い遅延のリスクが高い場合は、それに応じて手数料率が高くなります。たとえば、新設立の企業や財務状況が不安定な企業からの売掛金は、一般的にリスクが高いと見なされ、より高い手数料が課されることがあります。
売掛先の信用度も手数料の計算に重要な要素です。信用度が高い、つまり定期的に支払いを行い、安定した財務状態を維持している企業からの売掛金は、低リスクと見なされ、手数料率が低くなる可能性があります。反対に、信用度が低い企業からの売掛金は、高いリスクを反映して高い手数料が課されます。
急いで資金を調達したいという場合にも、手数料が高くなることがあります。即日または数日以内に資金を提供するサービスは、そのスピードに対する対価として高い手数料を設定する傾向があります。急速な資金提供が必要な事業主にとっては、この追加コストが資金調達の利便性を上回る価値があるかどうかを慎重に評価する必要があります。ただし、デジタル化が進む中で、多くのサービスがスピーディーな資金提供を実現するようになってきていることから、あまりにも高い手数料については疑ってかかる姿勢も必要です。
ファクタリングの手数料は、事業の利益率に大きな影響を及ぼすため、契約を結ぶ前には慎重な評価が必要です。手数料を最小限に抑えるためには、複数のファクタリング会社から見積もりを取り、最適な条件を提供する会社を選択することが有効です。売掛先の選択、契約期間の調整、資金の提供スピードの選択など、さまざまな要因を検討して、全体的なコストを抑える戦略を立てることが重要です。
金融庁は、ファクタリングを装った違法な金融業者が高金利で貸付をしていることについて、注意喚起しています。ファクタリングの利用を検討している人も、すでにファクタリングを利用している人も注意喚起の内容に一度目を通しておくとよいでしょう。
審査なしのファクタリングはおすすめしない
ファクタリングサービスの中には、審査なしで資金を提供するものも存在します。審査なしのファクタリングは一見魅力的に見えるかもしれませんが、長期的な視点で考慮すると、事業にとって不利益をもたらす可能性があります。ここでは、なぜ審査なしのファクタリングを避けるべきなのか、主な理由を説明します。
高額な手数料を請求される可能性がある
審査なしのファクタリングサービスでは、非常に高い手数料がかかることがあります。審査プロセスを省略し、ファクタリング会社は高いリスクを負うことから、そのリスクを補うために高額な手数料を設定するのです。審査なしのファクタリングサービスを利用して、通常の数倍の手数料を支払うことになれば、事業の利益を大幅に圧迫する結果となるでしょう。このような高額な手数料は、特に資金繰りが厳しい小規模事業主にとっては、さらなる財務負担となる可能性が高く、利用を避けたいところです。
あとから買い戻しを求められる可能性がある
審査なしのファクタリングでは、後になって売掛金の債権の買い戻しを求められるケースがあるようです。これは、ファクタリング会社が予期していなかった事態が発生した場合などに、事業主に売掛金を買い戻すことを要求するものです。緊急に資金が必要となることから、事業者としては避けたい事態です。このような事態を避けるためにも、審査なしのファクタリングを利用するのはやめたほうがよいでしょう。
融資契約のリスクを伴う
審査なしのファクタリングを提供する会社の中には、実質的には高利の融資契約を結ばせるものもあり、事業主は意図せず高い利息を伴う借入れをしてしまうことになります。急な資金調達に迫られて審査なしのファクタリングを利用した事業主が、あとになって高額な利息や追加料金の支払いを求められることも考えられます。このような契約は、事業の財務状況に深刻な影響を与え、最悪の場合、事業の存続の危機につながることさえあります。
ファクタリングを利用する前に検討したい、Square 請求書
ここまでで、ファクタリングに魅力を感じたという人もいるのではないでしょうか。ファクタリングにはメリットがある一方で、安全・安心でかつ好条件のサービスを選ぶのは簡単ではありません。
ファクタリングを利用する前にSquare 請求書の利用を検討してみてはいかがでしょうか。Square 請求書は、ファクタリングと同様に資金繰りを柔軟にし、キャッシュフローを安定させられます。
事前にコースをインターネット経由で予約できる飲食店や、サービスを予約するネイルサロンやヘアサロンのように、前払いを設定できる取引であれば、クレジットカード決済機能の付いたSquare 請求書のようなクラウド請求書を利用するのも一つの手です。
クラウド請求書の利用を検討している場合に注目したいのは、入金サイクルです。入金サイクルとは、売り上げが銀行口座に振り込まれるまでの期間のことで、入金サイクルが短いほど、迅速に手元に資金が届きます。Square 請求書なら、お客さまの支払い完了後、最短翌営業日に売り上げが振り込まれます。手数料は売り上げの3.25%です。Square 請求書はSquareの無料アカウントで利用できます。無料プランのほか、より多くの機能を使いたいという人のための有料プランもあります。
Squareでは加盟店審査を行いますが、結果は早ければ翌日に通知されます。あとは、Square 請求書を使うのみ。請求書は何枚発行しても追加費用はかかりません。
ファクタリングの利用を考えているという人は、クラウド請求書でも同じように資金繰りを柔軟にできないか検討してみることをおすすめします。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2023年12月6日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash