さまざまな働き方が登場している今、特定の企業や組織に属さず、自らの才能やスキルを武器に独立して働くフリーランスの道を選ぶ人たちがいます。フリーランスとして働く人たちの職業は、エンジニア、ライター、デザイナーなど多岐に渡ります。インターネットの普及により情報にアクセスしやすくなったことも、フリーランスで働く人が増えた一因といえるのではないでしょうか。
フリーランスは自分で仕事量をコントロールできたり、働く場所や時間を柔軟に変えることができるというメリットがある一方、仕事を「受ける」ことが多い場合、仕事を「発注」する側とのやり取りに際して、気をつけなければならない点も多々あります。今回は、フリーランスとして働くにあたり、報酬未払いのトラブルを防ぐ上で重要な役割を担う「請求書」について紹介します。
請求書の役割
どのようなビジネスであっても、金銭を伴う取引が発生する時に必要となるのが請求書です。とりわけフリーランスで働く場合、支払いが滞りなく行われるかは自分の生活に直接関わってきます。「期日になっても報酬が支払われない」「支払いを催促しても先延ばしにされ、いつまでも支払ってくれない」などのトラブルを防ぐためにきちんと請求書を発行しましょう。
支払い手数料の負担や支払い期日の明記など、請求書を作成する時の確認事項や、記載する項目などについては失敗しない請求書の書き方をぜひ参考にしてください。
フリーランスだからこそ気をつけること
源泉徴収の対象か確認
源泉徴収は会社勤めの人たちだけでなく、フリーランスとして働く人たちにも関係があります。国税庁では、報酬・料金などの支払いを受ける人が個人の場合の源泉徴収の対象範囲を以下の通り定めています。
報酬・料金等の支払を受ける者が個人の場合の源泉徴収の対象となる範囲
イ: 原稿料や講演料など
ただし、懸賞応募作品の入選者などへの支払については、一人に対して1回に支払う金額が5万円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。
ロ: 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
ハ: 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
ニ:プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
ホ: 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
ヘ: ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
ト: プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
チ: 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
ライターやセミナー講師、モデルなどフリーランスとして働く人に多く当てはまりそうな内容が見受けられます。上記の範囲に該当する場合、報酬を支払う側は源泉徴収義務者と見なされます。自身の業務が源泉徴収の対象となるか国税庁の情報をチェックして、当てはまる場合は計算して請求書に記載します。その際の消費税の記載の方法や確定申告の仕方などにも目を通しておきましょう。
参考:国税庁 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
併せて、源泉徴収票義務者が知っておくべきことまとめの記事も参考にしてください。
控えを保管する
請求書を作成した後は、必ず控えを保管するようにしましょう。請求書は、お金のやりとりを証明する書類として証憑書類に該当し、一定期間保管することが法律によって義務付けられています。また、期日を過ぎてもクライアントが支払いに応じてくれない場合、内容証明を送ったり、少額訴訟の手続き時に発行済の請求書を証明として利用することもあります。請求書は作成・送付したら終わりではなく、きちんと控えを保管するようにしましょう。請求書を安全に管理するコツの記事も併せて参考にしてください。
業務効率化にはクラウド請求書
請求書作成、印刷、内容確認捺印、封入郵送という一連の流れは、フリーランスとして働く人にとって大きな負担となります。また、内容を間違えば、支払いがスムーズに行かないことも起きるため作成には非常に神経を使います。そのような負担を軽減してくれるものがクラウド請求書です。クラウド請求書は、インターネットに接続できる環境であればどこにいても作成、送信することができます。また、クラウド請求書の多くは、請求書作成・送付機能にとどまらず、支払い日時や売上金額などのデータを経営分析に用いることが可能です。
クラウド請求書導入のメリットに関しての記事もぜひ参考にしてください。
Squareが提供するSquare 請求書は、請求書をかんたんに作成でき、メールで送ることができるサービスです。クライアントのメールアドレスさえ分かれば、パソコンやスマホ、タブレットから送ることができます。請求書の原本を希望するクライアントのために、印刷にも対応しています。請求書を受け取ったクライアントは、メールにあるリンクからワンクリックで決済画面に飛び、クレジットカード決済をすることができます。また、支払い状況の管理も併せて行うことができ、フリーランスで働く人にとって業務効率化の強い味方です。
これらの機能はすべて無料で利用でき、クライアントがクレジットカード決済を完了した場合にのみ決済手数料が発生します。
また、複数のプロジェクトを同時進行することが多く、なるべく請求書業務を効率化したいという人には、便利な機能が詰まった有料プラン(Square 請求書 Plus)も用意しています。料金プランごとの特徴について詳しくはこちらからご確認ください。
その他にも、さまざまな機能を持つクラウド請求書があります。おすすめクラウド請求書の記事もぜひ参考にしてください。サービス内容を比較検討して、ご自身に合ったものを選びましょう。
報酬のスムーズな支払いや、業務効率化にも役立つクラウド請求書は、フリーランスとして働く人たちにとってなくてはならないツールといえるのではないでしょうか。この機会にぜひ検討してみてください。
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執筆は2017年9月5日時点の情報を参照しています。2021年9月10日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash