店までもうあと少し、というところでおいしそうなカレーの匂いが風に乗って運ばれてくる。匂いにつられるままに、つい入店してしまいそうになるネパール料理店「チャーミング」は、東京都大田区の馬込にある。京浜東北線大森駅と都営浅草線馬込駅のちょうど真ん中あたり、環七通り沿いを歩いていると、水色で書かれたチャーミングの文字が視界に飛び込んでくる。
代表を務めるのは、株式会社スウィッチバックプランズの山崎友也さん。会社の主な事業はウェブやデザインの企画制作だが、ある日突然、飲食事業に踏み込むことになった。 お店を開く準備をはじめたのは2020年の5月頃。同年の暮れにはチャーミングが誕生していた。急ぎ足で開店準備を進めるなか、店頭での決済と、デリバリー・事前注文専用サイトでの決済方法として選んだのは、Squareだ。
なぜSquareに決めたのだろうか。どのような点にSquareのメリットを感じているのだろうか。Squareの活用方法を山崎さんに伺った。
業種 | 飲食業 |
業態 | カレー・ネパール料理店 |
利用しているサービス | Square オンラインビジネス、Square POSレジ、Square ターミナル、Square リーダー、Square スタンド |
導入を検討した理由 | ・加盟店審査が早く、決済手数料が安いため ・店頭とオンラインでの決済が受け付けられるため |
Squareが役に立っている点 | ・多くの手数料をかけずにデリバリーを受け付けることができる ・注文から調理までの流れを円滑にできる |
チャーミングでシェフを務めるのは、もともと大森にあるレストランにいたティーラックさん。インドで長年修行を積んできた、ネパール人のシェフだ。チャーミングではネパールで親しまれているモモ(蒸し餃子)はもちろんのこと、アチャール(漬物)、そしてカレー各種が楽しめる。なかでもお客様がこぞって頼むのは、看板メニューの「チャーミングカレー」。デミグラスソースに複数のスパイスを調合したチャーミングカレーは、ティーラックさんが試行錯誤を繰り返して生まれたオリジナルメニューなのだそう。そのほかにもナンの生地で作る巨大サイズのカレーパンは、チャーミングならでは。
▲奥で調理しているのがティーラックさん。手前はスーシェフのティッカさん。
山崎さんはもともとティーラックさんが働いていたレストランの常連だった。あることをきっかけに、二人は一緒にレストランをはじめることとなる。
開店準備を進めるなかで決済サービスを決めたのは、オープンまで残すところあと数週間というタイミングだった。そんななか、Squareに決めた理由を聞くと、「やっぱり審査の早さですね。オープンまで結構急いでいたので。あとは手数料がお手頃という点ですね」とのこと。
▲代表の山崎さん
チャーミングでは店頭で利用する決済端末を導入すると同時に、Squareのネットショップ機能を利用して、デリバリーと事前注文専用のウェブサイトも開設している。注文・配達のプラットフォームが多く存在するなかで、あえてSquareで自社のデリバリー専用サイトを開設した理由を聞くと「これはもう単純に手数料です」とのご返答。注文・配達のプラットフォームを利用すると、売り上げの4割近くを販売手数料として差し引かれることもある。Squareなら、かかるのは注文ごとの決済手数料だけ。無料プランを選択すれば、月額利用料金もかからない。売り上げをできるだけ多く確保する手段として、山崎さんはSquareのネットショップ機能を活用することにしたのだ。
手数料が抑えられるのも大きなメリットだが、レジ代わりに利用しているSquare POSレジにメニューを登録しておけば、メニューをそのままウェブサイトに反映できるので(※)、作業効率化にも役立つ。また、実際に使いはじめてわかったのは、店頭での売り上げとデリバリー専用サイトでの売り上げが、一つのアカウントから確認できること。この点も業務を効率化するうえで、とても助かると感じたそう。
※ Square POSレジアプリとSquare オンラインビジネス(ネットショップ作成機能)の間では、同期される情報とされない情報があります。詳しくはこちらからご確認ください。
デリバリー専用サイトの開設にはほとんど時間がかからなかったという。山崎さんの本業がウェブ制作であることも少なからず影響しているが、「フォーマットがあるので、すぐにできましたね。自分でソースを書かなくていいなんて、こんな楽なことある?って思いました」と教えてくれた。
キャッシュレスの導入は、支払いを円滑にするため
感染症の影響で、国内でもキャッシュレス決済に親しみを覚える人が増えてきた。キャッシュレス決済の導入を決めたのはやはり衛生面を考慮して、だったのだろうか。
「単純にお金のやりとりって時間がかかるじゃないですか。そこを削減したい、というのがまずありました。あとはもちろんコロナ禍でオープンしたので、お金をじゃらじゃらするのはお客様も嫌がると思いましたね。キャッシュレスは必須事項でした。世の中の流れがどうというよりかは、リソースとコストの削減、衛生面を考慮して導入を決めました」
今のところチャーミングでは、4割ほどのお支払いがキャッシュレスだそう。
レジ研修もレジ締めもスピーディに
チャーミングはシェフを含めて基本的には三人でまわしている。調理だけの担当が一人、調理・接客担当が二人いる。レジを触る二人はSquareの導入にあたり、新たにレジに慣れる必要があった。POSレジの研修にはどれくらいの時間がかかったのだろうか。
「2回くらいしか教えてないですね。教えた翌日にはなんとなくできるようになっていたはずです。あとは質問されたら答える形にしていました。習得するまでには一週間かかってないと思います」と山崎さん。
さらにレジ締めの時間を聞いてみると、「全部お金を数えて、15分くらい」と接客・調理担当のサルマさん。飲食店によっては、その日受け付けた支払いが全て記載されたレシートを出して、電卓に一つひとつ売り上げを打ち込みながら、その日の総売上を算出することもある。Square POSレジでお会計を受け付ければ売り上げは自動で集計されるので、アカウントにログインするとその日の売り上げが一瞬にして確認できる。1時間近くかかり得るレジ締めを15分ほどで終えられるのは、このおかげもあるのかもしれない。
会計のほかにも、調理を進めるティーラックさんなどにとって便利なのは、オーダーシートが出せるところ。Square POSレジに注文を打ち込めば、その注文をそのままキッチンプリンターに飛ばすことができる。「オーダーシートが出せるのはめちゃめちゃいいです。逆にないと困ります。この距離でも(レジとキッチンプリンターの距離)全然助かるんですよ。ホールはホールで管理したいし、キッチンはキッチンで管理したいので。この機能はすごくいいです」と山崎さんもうれしそうに話す。
キッチンプリンターに伝票を飛ばすことができなければ、調理担当が毎回レジにあるタブレットまで注文を確認しにいかなければならない。少しの距離かもしれないが、注文が次々と入る時間帯だと、効率がいいとは言い難い。いち早くお客様に食べ物を提供するうえでも、こういったちょっとした機能が役に立つ。
Squareならこのオーダーエントリーシステムを無料で利用できる。紙伝票に注文を書いたり、注文を読み上げてキッチンに伝達したりすると、オーダーミスにつながる可能性もある。注文をアプリに打ち込み、オーダーシートをキッチンプリンターから出せるオーダーエントリーシステムの活用は、注文伝達ミスを防ぐ一つの方法でもある。
最後に、飲食店をはじめたいと考えている人にSquareを勧めるとしたら、どのような点を勧めるかを山崎さんに聞いてみた。
「今飲食店をはじめるということは、どうしてもデリバリーをやらなければいけないと思います。そういう意味でPOSレジと(デリバリーや事前注文ができる)ウェブサイトが連動してるのは一番です。あと、審査が早いところですね。はじめは大変でしょうから、翌営業日に振り込んでくれるところも助かるかと思います」
「今飲食店をはじめるということは、どうしてもデリバリーをやらなければいけないので。そういう意味でPOSレジと(デリバリーや事前注文ができる)ウェブサイトが連動してるのは一番です」ー株式会社スウィッチバックプランズ代表 山崎友也さま
Squareが実現したこと
低コストでデリバリーを受け付けられるようになった
チャーミングでは、デリバリーを受け付けることを必須項目として掲げていました。ところが注文・配達プラットフォームの中には、売り上げの4割近くを販売手数料として差し引くサービスもあります。Squareでデリバリー専用サイトを開設すれば、差し引かれるのは注文ごとに発生する決済手数料のみ。無料プランを利用すれば、月額利用料金はかかりません。山崎さんは手数料を抑えてデリバリー注文を受け付けられるようになりました。また、情報を入れ込むだけでウェブサイトが開設でき、多くの時間をかけずにはじめることができました。
デリバリー注文と店頭での売り上げを一箇所で確認することができる
チャーミングでは、オンラインと店頭での決済をSquareに統一しています。両方の売り上げは、Squareのアカウントにログインし、同じ管理画面から確認することができます。1日の売り上げを確認する際に、複数のサービスを行き来する必要がなく、業務を効率化できています。
短期間で導入することができた
山崎さんが決済サービスを検討しはじめたのは、オープン数週間前のことでした。Squareでは早ければ数日でキャッシュレス決済利用時に必須の加盟店審査の結果が届きます。チャーミングでも審査結果をまだかまだかと待つことなく、オープン初日からキャッシュレス決済を受け付けることができました。
注文から調理の流れを効率化できた
チャーミングでは、Square POSレジアプリで受けた注文がキッチンプリンターに送られるよう設定しています。シェフたちが毎回レジに設置されているタブレットまで注文を確認しに行く手間が省けて、効率よく調理を進めることができています。同時にオーダーミスも防ぐことができています。Squareなら無料でオーダーエントリーシステムが利用できます。
Squareでは、キャッシュレス決済が受け付けられる決済端末に加えて、POSレジやデリバリー専用サイトの作成機能など、飲食店の業務に役立つサービスや機能を多く提供しています。
この事例に登場したSquareのサービスは:
▲大人気「チャーミングカレー」
▲接客・調理担当のサルマさん