国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の人は全員加入義務がある保険制度で、基礎年金ともいわれます。企業勤めの人は自分で直接保険料を納めることはありませんが、自営業の人は国民年金の保険料を自分で納めます。直接、国民年金保険料を支払っている人の中には、この出費について、「少しでも安くならないか」「お得に払えないか」と考えたことのある人もいるのではないでしょうか。
実は、クレジットカード支払いを選択することで、いろいろなメリットを受けられます。今回は、国民年金をクレジットカードで支払う具体的なメリットや注意点を解説します。
目次
- 国民年金とは
- 国民年金はクレジットカードで払える?
- 保険料の納付方法は5種類
- 国民年金をクレジットカードで払うメリットとデメリット
- 国民年金の前納割引制度とは
- 国民年金保険料に関する手続き方法
- クレジットカードの活用で、ビジネスを成長させよう
- クレジットカード決済導入ならSquare
国民年金とは
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人のすべてが加入することになっているのが、国民年金です。個人事業主やフリーランスとして働いている人は国民年金の保険料を自分で納めます。企業勤めで厚生年金保険に加入している人は、国民年金の保険料を直接納めることはありません。
国民年金はクレジットカードで払える?
国民年金はクレジットカードで払うことができます。近年までは、銀行や郵便局での支払い、または口座振替での支払いが一般的でした。インターネットやスマートフォンが普及した2023年時点では、クレジットカード払いができるようになっています。支払いに利用できるカードブランドは、Visa、Mastercard、American Express、Diners Club、JCBです。
保険料の納付方法は5種類
国民年金を納付する方法には5種類あります。クレジットカード払いのほか、「口座振替」「納付書での現金納付」「納付書での電子納付」「納付書でのアプリ決済」があります。
クレジットカード払い
事前申請をすることで、クレジットカードでの支払いが可能です。毎月払いだけでなく、前納を選ぶこともできます。
口座振替
預金口座から毎月保険料が引き落とされます。確実に納付できるほか、前納による割引制度があります。
納付書での現金納付
送付された納付書を使い、期限までに金融機関や郵便局、コンビニエンスストアなどで支払います。
納付書での電子納付
送付された納付書を使い、ATMやインターネットバンキング、モバイルバンキングなどで支払うことができます。ただし、ATM以外は、金融機関との契約が別途必要です。
納付書でのアプリ決済
2023年2月より導入された納付方法です。指定された決済アプリで納付書に記載されたバーコードを読み取り、保険料を納付します。ただし、30万円を超える金額の納付書と延滞金納付書はスマートフォンアプリによる納付はできないので注意が必要です。
国民年金をクレジットカードで払うメリットとデメリット
メリット
時間や手間がかからない
クレジットカード払いであれば、支払いのために出かける必要がありません。納付書での現金納付では、金融機関や郵便局、コンビニエンスストアなどに出向く必要があります。また、1枚の納付書の金額が30万円を超えてしまうと、コンビニエンスストアでは納付できません。そのため、営業時間内に金融機関や郵便局の窓口に出かける必要があります。
クレジットカードのポイントが貯まる
クレジットカード払いであれば、ポイントが貯まる場合があります。国民年金の保険料額は、2023年度は1カ月16,520円となっています。これが12カ月となれば、実に1人あたり19万8,240円の出費になります。
参考:令和5年度の年金額改定についてお知らせします(2023年1月20日、厚生労働省)[
ただし、クレジットカードによっては、保険料支払いではポイントが付与されないものもあります。手持ちのクレジットカードがポイント付与対象かどうか、クレジットカード払いを申し込む前に調べておくとよいでしょう。また、付与されるポイントはクレジットカードの還元率によっても異なります。場合によっては、クレジットカードを変えることで、よりお得感のある支払いができるでしょう。
未払いを防げる
クレジットカード払いであれば、未払いを防ぐことができます。もし保険料の支払いを忘れてしまい、未納と判断された場合には延滞金が発生します。しかし、クレジットカード払いなら自動で引き落とされるため、うっかり支払いを忘れたといった事態を防げます。
なお、クレジットカード払いの仕組みは、先にクレジットカード会社が支払金額を立て替え、クレジットカード名義人は利用額を引き落とし日にクレジットカード会社に支払う、という流れです。つまり、保険料の支払い日と、実際に銀行からお金が引き落とされる日にズレが生じます。クレジットカード利用額の引き落とし日は1カ月から2カ月ほど先であることが多いため、万が一、手元の資金が足りなかったとしても、この期間で用意できます。
家計の管理が楽
クレジットカード払いであれば、家計の管理がスムーズになります。クレジットカード会社が発行する利用明細書が支出の記録として家計簿代わりになります。家賃などの固定費支払い専用のクレジットカードを作っておけば、固定費管理がさらにスムーズになるかもしれません。
家族の分も支払える
配偶者や20歳以上の子どもの分も一緒に支払うことができます。生計を一つにする配偶者や子どもなどが支払うべき国民年金を支払った場合には、その支払った金額についても所得控除を受けることができます。
デメリット
クレジットカード払いにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
事前申請が必要
クレジットカード払いをするには、事前申請が必要です。手元にクレジットカードと納付書があっても申請手続きが完了しなければ、支払うことはできません。なお、手続きではクレジットカードの有効性確認なども伴うため、手続き完了までには時間がかかります。クレジットカード払いを希望する場合は、余裕を持って申請を行う必要があります。
1回払い(一括払い)しかできない
クレジットカード払いでは、分割払いやリボ払いが利用できません。1年分や2年分をまとめて前納すると、まとまった額のお金が一気になくなります。負担が大きい人は、毎月納付を選びましょう。前納割引は適用されませんが、月々の負担は軽くなります。
利用限度額を超えているクレジットカードは使えない
利用限度額を超えているクレジットカードでは支払いはできません。日頃からクレジットカード払いが多い人は、利用限度額に達していないか注意する必要があります。
情報変更があれば変更手続きの手間が発生する
クレジットカードの情報に変更があった場合や、利用するクレジットカードそのものを変更したい場合は、変更申請手続きが必要です。具体的には、申請書類を記入して年金事務所に提出します。こちらも、手続きが完了するまでに時間がかかります。その間に保険料を納める場合は、納付書での支払いとなります。
なお、カードの有効期限が切れた場合は、指定の事業者が発行するクレジットカードでは手続きは不要です。指定事業者の一覧は、こちらで確認できます。
国民年金の前納割引制度とは
国民年金保険料を一定期間まとめて前払いすることで、割引を受けることができる制度です。2年分、1年分の前納は4月末日が納付日になります。6カ月分の前納は4月末と10月末が納付日となります。
クレジットカード払い、納付書払いの場合
2年分の前納であれば14,830円、1年分の前納では3,520円、6カ月分の前納では810円の割引が適応されます。
全納の種類 | 2年前納 | 1年前納 | 6カ月前納 | 毎月納付 |
支払額 | 387,170円 | 194,720円 | 98,310円 | 16,520円 |
割引額 | 14,830円 | 3,520円 | 810円 | 0円 |
口座振替の場合
2年分の前納であれば16,100円、1年分の前納では4,150円、6カ月分の前納では1,130円の割引が適応されます。また、口座振替の場合は早割という制度もあります。国民年金保険料の納付期限は翌月末ですが、それを当月末に支払うことを早割といいます。たとえば、4月分の保険料の納付期日は5月末ですが、それを4月末に支払うことで毎月50円の割引が得ることができるというものです。
全納の種類 | 2年前納 | 1年前納 | 6カ月前納 | 毎月納付 |
支払額 | 385,900円 | 194,090円 | 97,990円 | 16,520円 |
割引額 | 16,100円 | 4,150円 | 1,130円 | 0円 |
前納は申し込みのタイミングに注意
前納を希望する場合は、クレジットカード払い、口座振替のいずれも申し込みのタイミングに注意が必要です。
2年前納・1年前納を希望する場合
2月末日必着です。間に合わなかった場合は、次の前納納付月までは毎月納付になります。
6カ月前納を希望する場合
4月末日の前納を希望する場合は2月末日、10月末日の前納を希望する場合は8月末日必着です。間に合わなかった場合は、次の前納納付月までは毎月納付になります。
国民年金保険料に関する手続き方法
それでは、実際にクレジットカード支払いをするための手続きについて説明します。
必要な書類をそろえる
「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」に必要事項を記載し、近くの年金事務所の窓口に提出します。郵送での申し込みも可能です。
申出書の様式は、日本年金機構のサイトからダウンロードできます。
なお、申請にはクレジットカード名義人の署名が必要です。自分のカードでない場合は注意してください。また、クレジットカード名義人の続柄が本人または配偶者以外の場合は、「国民年金保険料クレジットカード納付に関する同意書」の提出が必要となります。手続きが無事に完了すれば、日本年金機構より通知書が送付されます。
前述したように、クレジットカード支払いには、申し込みの期限があります。2年分、1年分、4月から9月の6カ月分を前納したいときはその年の2月末までに、10月から3月の6カ月分を前納したいときはその年の8月末までに、申し込む必要があります。前納割引を確実に受けたい場合は、申し込む時期に気をつけましょう。
必要書類をそろえたら、年金事務所の窓口に持参するか郵送し、手続きは終了です。
クレジットカードの活用で、ビジネスを成長させよう
手間を省き、ポイント加算など嬉しいメリットがある国民年金保険料のクレジットカード払い。国民年金をクレジットカードで支払うことをきっかけに、ビジネスのあらゆる面においてクレジットカード決済を活用してはいかがでしょうか。
たとえば、飲食店や小売店を経営しているのであれば店頭でのクレジットカード決済の受け付け、オンラインショップを運営したいと考えているのであればオンラインでのクレジットカード決済を検討してみてはいかがでしょうか。お客様にとってポイント加算などのメリットがあるだけでなく、経理や帳簿管理の手間を軽減してくれる機能が使えることもあります。
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お客様にも個人事業主にもメリットの多いクレジットカード払い。国民年金のクレジットカード払いをきっかけに、ぜひ活用を始めてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2018年8月21日時点の情報を参照しています。2023年5月17日に記事の一部情報を更新しました。 当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by,Unsplash