2023年4月28日より、Squareの決済手数料が安くなります。具体的には、JCBの決済手数料が3.95%から3.25%に、QUICPayの決済手数料が3.75%から3.25%に引き下がります(※)。
※対面決済の場合
「決済手数料が安くなったのは分かったけど、他にも色んな手数料がかさむんでしょ」「月々の固定費が高いのでは」という印象から、キャッシュレス決済の導入にためらっているビジネスオーナーもいるかもしれません。
今回はキャッシュレス決済の導入を検討している、またはSquareへの乗り換えを考えているという人に向けて、事例を交えながらSquareの導入費用や決済手数料、固定費などを解説していきます。
目次
- Squareを導入するメリット
・1. 最短翌営業日入金
・2. 料金体系がシンプル
・3. 店舗でもオンラインでも使える
・4. 使えば使うほど経費削減になる - 事例1:お店でSquareを導入したいです
- 事例2:オンラインでSquareを導入したいです
- まとめ
Squareを導入するメリット
Squareでキャッシュレス決済を導入するメリットをまず見ていきましょう。
1. 最短翌営業日入金
キャッシュレス決済で一番気になるのが、キャッシュフローではないでしょうか。月末締めの翌月末払いだと、売上日から入金日まで1カ月以上開くことになります。仕入れや給与の支払いなどで先に出ていくお金が多いと、入金サイクルは短ければ短いほど、ビジネスの安定につながるでしょう。
Squareでは、三井住友銀行またはみずほ銀行の口座なら翌営業日に、それ以外の口座では週に一度入金されるので、現金とほとんど変わらない感覚でキャッシュレス決済を受け付けることができます。
2. 料金体系がシンプル
Squareを導入するときに、ぜひ覚えてほしいのが「決済手数料以外はかからない」という点です。一部有料機能もありますが、ほとんどの機能やサービスは、初期費用・維持費用が無料です。
決済手数料もシンプルな構成になっています。たとえば、対面決済の場合、決済手数料は 3.25%(iDのみ3.75%)です。業種や販売する商品によって決済手数料が変わることはありません。シンプルな分、コスト管理も簡単です。
3. 店舗でもオンラインでも使える
Squareは店舗での対面決済に加えて、クラウド請求書やネットショップなど、オンラインで使える決済手段も提供しています。お店での決済はA社、法人顧客の請求書払いにはB社の銀行振込、通販の支払いにはC社など、複数の決済方法を利用していると、売上管理だけでも膨大な時間がかかってしまいますが、Squareならこれらをすべて1カ所で管理できます。
4. 使えば使うほど経費削減になる
キャッシュレス決済をはじめ、店舗経営に役立つ多様な機能を提供しているのが、Squareの特徴です。そして、ほとんどの機能が無料なのも嬉しい点ではないでしょうか。
上記の機能を別々に導入した場合、それぞれに導入費用と維持費用がかかりますが、Squareならそうした費用をカットできます。また、申込手続きなども必要ありません。Squareの管理画面にログインし、使いたい機能を試してみるだけです。売り上げも、スタッフの勤怠も、顧客情報も、まるごとSquareで管理できるので、効率的な店舗運営に役立つでしょう。
次項からは、店舗でSquareを導入する場合とオンラインでSquareを導入する場合、それぞれの事例別に費用を紹介していきます。
事例1:お店でSquareを導入したいです
店舗の対面決済でSquareを導入する場合、かかるコストは下記の2点だけです。
1.決済端末の購入費用
2.決済が発生した際の決済手数料
下記のような費用が発生することはありません。
- アカウント作成費用
- アカウント維持費用
- 月額利用料
- トランザクション料
- 振込手数料
- 解約費
Squareでは、Square リーダー(4,980円)、Square スタンド(29,980円)、Square ターミナル(39,980円)の3種類の決済端末を提供しています。予算や目的に合わせて選ぶことができます。
導入にかかったの決済端末の費用のみ
具体的な例とともに、費用を計算してみましょう。ここでは、コーヒーや軽食を出す喫茶店について考えます。
都内某所にある「コーヒー四角」では、現金オンリーから心機一転、キャッシュレス決済の導入に踏み切ることにしました。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square ターミナルの購入費用 | 39,980円 |
電話サポートの費用 | 0円 |
合計 | 39,980円 |
コーヒー四角のマスターが選んだ決済端末は、Square ターミナル。4万円近くなので高額なように思えますが、Square ターミナルにはタッチスクリーンとレシートプリンターが搭載されています。タブレット端末やレシートプリンターを別々で買うよりも、お得な買い物だと考えて購入を決めました。
▲Square ターミナルは持ち運びが可能なポータブルな決済端末。座席での決済も可能です。
また、決済端末を選ぶ際に、マスターは詳しく話を聞こうとSquareのサポートに電話しました。サポートは有料という決済サービスもありますが、Squareなら電話でもメールでも無料でサポートを受けることができます。
コーヒー四角がSquareの導入にかかったのは、決済端末の購入費用である39,980円のみです。Square リーダーなど、もっとリーズナブルな決済端末を選ぶことでさらに初期費用を下げることも可能です。
決済手数料は3.25%!
対面決済の場合、Squareの決済手数料に関しては「3.25%」と大まかに覚えておけば問題ないでしょう。詳しくいうと、クレジットカード、QRコード、電子マネー(※)による決済は、決済手数料が3.25%です。一つだけ例外があり、お客様がiDで決済した場合のみ、決済手数料が3.75%になります。
※Squareで決済を受け付けられるクレジットカードブランドは、Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、Diners Club、Discoverです。電子マネーは、Suica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけんを含む交通系IC、QUICPayとiDです。QRコード決済はPayPayです。
現金オンリーで機会損失をしていた!?
少し時をさかのぼって、コーヒー四角がキャッシュレス決済導入を決意した理由を振り返ってみましょう。
お会計時に「現金だけです」と伝えると、お客様が困った顔を見せることが増えたことにマスターは気付いていました。「うちはお客様にとって不便なお店になっているのかも!?」と思ったマスターは、キャッシュレス決済の需要を少し調べてみることにしました。
- 生活者の9割以上がキャッシュレス決済を経験
- 5割弱がキャッシュレス決済が利用できないとわかって利用をやめたことがある
調べると上記のようなデータが出てきます。飲食店の経営者として気になるのは、お客様が利用をやめてしまうことです。知らないうちにお客様を逃していたのかもしれない、そして既存のお客様もキャッシュレス決済が使える他のお店に流れてしまうかもしれないと危機感を抱いたマスターは、キャッシュレス決済の導入を決意します。
参考:
・JCB、「キャッシュレス決済に関する調査~コロナ禍におけるキャッシュレス決済事情~」を発表(2020年8月20日、株式会社ジェーシービー)
・電通、「生活者のキャッシュレス意識調査」を実施(2023年3月9日、株式会社電通)
1カ月の決済手数料はいくら?
さて、キャッシュレス決済の導入からしばらく経ちました。コーヒー四角では、単価が1,000円前後ということもあって、SuicaやPayPayを利用するお客様が多いようです。月の売り上げである100万円のうち、約5割のお客様がキャッシュレス決済を利用していました。
100万円×50%×3.25%=16,250円(※)
1カ月の決済手数料 | 16,250円 |
振込手数料 | 0円 |
取消手数料 | 0円 |
合計 | 16,250円 |
表にある「取消手数料」が気になるかもしれません。これは決済をキャンセルした際に発生する費用です。サービスによっては有料なこともありますが、Squareでは費用はかかりません。初めてのキャッシュレス決済だと、「間違えたらどうしよう」と怖くなるかもしれません。キャンセルには追加費用はかかりませんので、間違えに気付いたらこちらを参考に払い戻し処理をしてください。
※便宜上iDによる決済を含めていません。
人件費削減に貢献!?
キャッシュレス決済を導入したことで、毎月、決済手数料がかかるようになりましたが、実は減っている費用もあります。人件費です。紙の伝票を使っていたコーヒー四角では、慣れているアルバイトスタッフでも閉店後のレジ締めに45分はかかっていました。
しかし、キャッシュレス決済に合わせて無料のSquare POSレジを導入し、さらに現金そのものが減ったことで、レジ締めの時間が15分までに短縮。アルバイトスタッフが早く帰れるようになった分、人件費が減りました。
(45分−15分)×30日=900分
900分、つまり月々15時間分の人件費負担を削ることができています。
15時間×時給1,200=18,000円/月
1年間だと、20万円以上の削減になります。また、今までは閉店後に帳簿付けをしたり、現金をATMに入金しに行ったりしていましたが、こうした業務も一気に減り、マスターも時間に余裕ができるようになりました。
1年間の費用はいくら?
コーヒー四角がSquareを導入して1年間が経ちました。1年間でいくらかかったのでしょうか。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square ターミナルの購入費用 | 39,980円 |
電話サポートの費用 | 0円 |
1年間の決済手数料 ※キャッシュレス決済比率50%で計算 |
16,250円×12カ月=195,000 |
振込手数料 | 0円 |
取消手数料 | 0円 |
合計 | 234,980円 |
※この計算はあくまでも目安であり、正確なものではありません。
Squareの料金体系がとてもシンプルなことに気付いたかもしれません。カード情報を読み取るのに必要な決済端末さえ購入しておけば、あとは決済が発生したときの決済手数料のみです。最小限のコストでキャッシュレス決済を導入したいというお店にぴったりではないでしょうか。
事例2:オンラインでSquareを導入したいです
オンライン決済でSquareを導入する場合、かかるコストは1点だけです。
1.決済が発生した際の決済手数料
決済端末が必要ないため、無料のSquareアカウントを作成すれば、すぐにでも導入できます。
Squareではオンライン決済として以下の方法を提供しています。
- メールで送れるSquare 請求書
- ネットショップの作成・運営ができるSquare オンラインビジネス
- リンク型決済のSquare オンラインチェックアウト
ビジネスのニーズに合わせて選ぶことができます。また、複数の方法を組み合わせることも可能です。
初期費用ゼロ円!
具体的な例とともに、費用を計算してみましょう。前述の喫茶店・コーヒー四角の2階にはブロック夫妻が経営する「英会話教室ブロック」が入居しています。コロナ前は対面がメインでしたが、コロナ禍をきっかけにオンラインに移行しました。
英会話教室ブロックでは月謝の徴収に課題を抱えていました。銀行振込を利用していますが、なかにはうっかり忘れてしまう生徒もいます。期日まで振り込まれているかどうかを確認し、振り込まれていない場合は個別に連絡する……という作業に毎月追われることになります。
コーヒー四角からSquareのことを聞き、思い切ってSquare 請求書を導入することにしました。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square 請求書の導入費用 | 0円 |
合計 | 0円 |
英会話教室ブロックがSquare 請求書の導入にかかった費用は0円です。
決済手数料は3.25%!
Square 請求書の使い方は簡単です。
①請求書のタイトルや請求額、支払期限などを入力し、各生徒のメールアドレスに送付
②Square 請求書を受け取った生徒は、メールの画面にある「カードで支払う」をクリックし、クレジットカードで月謝を支払い
③英会話教室ブロックと生徒の両方に支払い完了のメールが届く
Square 請求書はVisa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、Diners Club、Discoverの6ブランドに対応しています。生徒がどのクレジットカードで決済をしても、英会話教室ブロックが負担する決済手数料は3.25%です。
1カ月の決済手数料はいくら?
Square 請求書の導入から1カ月が経ちました。英会話教室ブロックの生徒は全部で30人、月謝は1カ月15,000円です。
15,000円×30人×3.25%=14,625円
1カ月の決済手数料 | 14,625円 |
振込手数料 | 0円 |
請求書の作成・送信費用 | 0円 |
合計 | 14,625円 |
クラウド請求書サービスの中には、「無料で作成できるのは月5通まで」といったところもありますが、Square 請求書では何通請求書を作成しても、送っても、費用はかかりません。
定期送信で自動化に成功
Square 請求書には「定期送信」という機能があります。英会話教室ブロックでは月謝の金額が決まっているため、この機能を使って同じ内容の請求書を毎月30日に送信しています。支払期限の前日にリマインダーが送られるように設定したことで、支払遅延が起こることはほとんどなくなりました。
これまでは、期日までに振り込まれているかどうか、30人分の銀行振込を確認する必要がありました。定期送信とリマインダー機能を活用することで、月謝の請求から支払確認まで、手間が全くかからなくなりました。
1年間の費用はいくら?
英会話教室ブロックがSquareを導入して1年間が経ちました。1年間でいくらかかったのでしょうか。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square 請求書の導入費用 | 0円 |
1年間の決済手数料 | 14,625円×12カ月=175,500円 |
振込手数料 | 0円 |
請求書の作成・送信費用 | 0円 |
合計 | 175,500円 |
※この計算はあくまでも目安であり、正確なものではありません。
初期費用、維持費用を全くかけずに、月謝回収を円滑にすることができました。支払確認に時間がかからなくなった分、余った時間で新しい企画の準備をしています。インバウンド対応をしたいお店向けの接客英語ワークショップです。ワークショップの支払いは、リンク型決済「Square オンラインチェックアウト」を使う予定です。
まとめ
- オンライン決済なら初期費用は0円。対面決済なら、決済端末の購入費用のみ。
- 日々の運用にかかるのは決済手数料のみ。対面決済の決済手数料は3.25%(iDのみ3.75%)。
- アカウントの作成、維持、解約に費用はなし。売上金の振込手数料、決済の取消手数料も0円。
「色んな手数料がかさむんでしょ」「月々の固定費が高いのでは」という印象が覆ったのではないでしょうか。Squareなら、日々かかるのは3.25%の決済手数料だけ(※)。シンプルにコスト管理ができます。
※:対面決済の場合。また、iDのみ3.75%です。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2023年4月28日時点の情報を参照しています。2023年8月30日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash