沖縄県那覇市、第一牧志公設市場から歩いて1分のところに沖縄の美味しいお肉とチーズが食べられるお店がある。沖縄に惚れ込んで東京から移住した飯塚みどりさんが経営する「お肉とチーズのてだこ亭」(以下、てだこ亭)だ。てだこ亭では1999年の開業以来、沖縄県産の食材を使ったイタリア料理を提供してきたが、開業から20年という節目で飯塚さんは新しい挑戦をしようと決心をする。てだこ亭を「美味しい料理を、低糖質で」をテーマにしたレストランにリニューアルすることだ。
新しい挑戦はメニューの一新だけではなかった。新型コロナウイルス感染症の影響で客足が遠のくなか、売り上げを確保する方法としてネット販売を始めることにした。
てだこ亭がネット販売のシステムとして選んだのが、Square オンラインビジネス。ここでは、リニューアルのきっかけやSquareを選んだ理由、使い勝手について伺った。
業種 | 飲食業 |
業態 | レストラン |
利用しているサービス | Square オンラインビジネス |
導入を検討した理由 | ・通販を受け付けられるウェブサイトの開設ができる |
Squareが役に立っている点 | ・初期費用・月額費用をかけずに、オンラインショップの開設・運営が可能 ・スマートフォンから注文の確認、商品情報の更新ができる |
「23年前に沖縄が好きすぎて、移住してきました」と話す飯塚さん。移住する前は東京でカメラマンの仕事の傍ら、世界各国の料理を教える教室を時々自宅で開いていた。移住先で何をしようかと考えたとき、前からやってみたかったレストランに挑戦することにした。それが、1999年7月にオープンした地産地消のイタリアンレストラン「てだこ亭」だ。「てだこ」は沖縄の言葉で「太陽の子ども」を意味する。
今では沖縄県産の食材を積極的に使うレストランは県内では珍しくないが、当時はまだ県外から食材を仕入れる飲食店が多かった。その現状を知った飯塚さんは、「沖縄には良いものがあるはず。他の人がやっていないならやろう」と考えた。沖縄県産の一級食材を使った料理は多くのお客様に愛され、県外からの観光客を中心にリピーター客も徐々に増えていった。
低糖質メニューに特化したレストランに
開業から20年が経った2019年10月、てだこ亭はイタリアンレストランから低糖質の食材を使ったレストランに生まれ変わった。大きな方向転換のように思えるが、どんな背景があったのだろうか。
理由の一つが地産地消の浸透だ。最近では、若い料理人たちが沖縄県産食材を使ったイタリアンレストランを開くようになった。
「この20年で地産地消イタリアンはいっぱいできたから、一石を投じる役目はもう終わったな、私はもう卒業しようと思ったんです」
加えて、飯塚さん自身の食生活にも変化があった。
「個人的に6年くらい前から糖質制限をするようになったんです。そしたら、とっても体調が良くなって。でも、私がやっているのはイタリアンだから小麦をたくさん使うでしょ」
てだこ亭では県産小麦を使ったパスタやフォカッチャを提供してきており、それを目当てに来るお客様も多い。最初はお客様が食べたいものを提供するべきだと考えていたが、「段々割り切れなくなって」と、20年を機に思い切ってイタリアンを卒業することにした。
地産地消という点は変わらず、メニューを県産のお肉やチーズを使った高タンパクで低糖質のものに一新した。
▲てだこ亭の人気メニュー、県産のお肉を使ったハムやローストビーフ、熟成チーズを盛り付けた前菜
オンラインショップの開設
リニューアルから数カ月経った2020年2月頃、メニューの変化に合わせて客層も変わってきたと感じはじめた時期に、新型コロナウイルスの感染拡大で客足が一気に減った。
前例のない出来事に飯塚さんも戸惑った。特に、てだこ亭のお客様の8割は県外からやってくる。県境を越える移動が難しくなると途端に売り上げが減ってしまう。なんとか切り抜けようと考えたのが通販だ。
開業した頃から常連客に向けてクリスマスの時期にはチキン、バレンタインの時期には伊江島のラム酒を効かせたチョコレートブラウニーを通販で販売していたので、通販の経験はあった。
「通販の幅を広げなきゃって考えて、通販のメニューをすごく考えて売り出し始めたんですよ」そうすると、てだこ亭を応援したいと各地の常連客から注文が入るようになった。
最初のうち、通販のお知らせや注文受付をSNSやメールで行っていた。注文したいお客様は指定の口座に料金を振り込み、飯塚さんは入金確認後に商品を発送する。普段一人でお店を切り盛りしている飯塚さん。これらの作業ももちろん一人で行っている。
「買ってくれる人がとっても増えたのは良いんですけど、私はもう腱鞘炎になりそうで……」
そこで、小規模事業者向けの補助金を利用して高性能の真空パック包装機を導入することにした。ホームページの作成費用も補助対象になっていたので、ホームページのリニューアルにも挑戦することにした。
「通販の数が増えてくるとこっちも分からなくなってくるし、今までは文章でお客さんに通販の内容を伝えてたんですけど、文章だけだと分からないっていう声もあったんですよ。1年間それでなんとか頑張ったけど、遂にホームページをリニューアルすることになりました」
企画やデザイン、写真撮影などをプロに依頼した分、システムにはお金をかけられなかった。
「ホームページのリニューアルとオンラインショップをきちんと作る、それを少ない予算でできないかと探した結果、条件にあったのがSquare(※)でした。おかげさまでお客さんからは見やすいと好評です」
※Squareでは初期費用無料で始められるオンラインショップ作成サービス(Square オンラインビジネス)を提供しています。無料プランなら、決済手数料の負担だけでオンラインショップを開設・運営が可能です。各プランについて詳しくはこちら。
▲てだこ亭のホームページ
SNSやメールを使った注文方法から、オンラインショップで注文を受け付ける形に切り替えた飯塚さん。商品情報の更新や注文内容の確認など、使い勝手はどうだろうか。
「とてもやりやすいと思う。私、パソコンは家に置いてるので出先やお店では見られないんですよ。でも、Squareならスマホからすぐに注文を確認できるのがすごくありがたい。写真のアップロードをパソコンからもスマホからもできるのがすごいなって思います」
オンラインショップには、てだこ亭の定番商品や人気商品が並ぶ。期間限定で販売していた果物や野菜の詰め合わせにもたくさんの注文が入った。月によっては、店舗の売り上げを凌ぐほどだ。
▲シェフセレクトの野菜と果物の詰め合わせを期間限定で販売
「22年やってもずっとトライ・アンド・エラーです。特にコロナになってからは今までの成功事例が役に立たない、時代を見て自分で考えるしかないなと思います」と話す飯塚さん。ネット販売が軌道に乗り、次の挑戦は酒類の通信販売免許を取得することだ。
次々と新しいことに挑む力の源は何だろうか。
「私の原動力は、てだこ亭が好きっていうお客さんの気持ちなんです。オーナシェフなんてカッコいいものじゃなくって、私は管理人。てだこ亭にいつ来てもいい状態をキープする。それが私の仕事だと思ってます」
「Squareならスマホからすぐに注文を確認できるのがすごくありがたい。写真のアップロードをパソコンからもスマホからもできるのがすごいなって思います」ーお肉とチーズのてだこ亭 飯塚みどりさま
お肉とチーズのてだこ亭がSquareで実現したこと
低予算でオンラインショップを開設できた
てだこ亭ではオンラインショップを低予算で実現できないかと考えていました。Squareなら、初期費用無料でクレジットカード決済が受け付けられるオンラインショップの開設が可能です。無料プランを選べば月々発生するのは注文毎のクレジットカード決済手数料のみ。販売手数料や振込手数料などの負担もなく、てだこ亭では予算内でオンラインショップを開くことができました。
スマートフォンから注文の確認や商品情報の更新ができる
てだこ亭では普段の営業に加え、オンラインショップの更新や注文の確認、商品の発送も飯塚さんが一人で行っています。Squareでは、スマートフォンのアプリから手軽に注文内容の確認や、写真のアップロードができるので、効率的な運営に役立っています。
Squareではオンラインショップ作成機能に加えて、キャッシュレス決済端末やPOSレジなど、飲食店の業務に役立つサービスや機能を多く提供しています。
この事例に登場したSquareのサービスは:
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2021年11月4日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash