「売り上げを伸ばしたい」「料理をもっとたくさんの人に届けたい」と考えたとき、飲食店経営者にとってデリバリーサービスは、実践しやすい方法なのかもしれません。
今回は、デリバリーサービスを始めるために知っておきたいポイントを紹介します。
目次
デリバリーサービスの需要
デリバリーサービスといえば、宅配ピザやラーメン、そばなどをイメージする人も多いのではないでしょうか。近年はさまざまな形のデリバリーサービスが普及しています。
たとえば、超高齢化社会に伴い、在宅高齢者向けのデリバリーサービスの市場は今後も拡大する見通しだといわれています。
参考:伸びる高齢者向け食品 富士経済(2020年2月25日、農業協同組合新聞)
また、働く女性が増えたことで簡単な調理だけで栄養バランスの取れた食事を楽しめる、以下のようなデリバリーサービスも人気があるようです。
- アレルギー対応の弁当や惣菜
- 一食ずつの冷凍弁当
- 無添加、無農薬の弁当や惣菜
- 1日に必要な摂取品目がそろった食材セット
- 100%国産にこだわった食材セット
- レンジや湯せんで温めるだけで食べられる食品
- 簡単な調理で食べられる半調理、下ごしらえ済みの食材セット
- 家庭でもプロの料理が再現できる食材セット
- 減塩、低糖質の弁当や惣菜
これからデリバリーサービスを始めるのなら、従来の「できあがった料理を届ける」だけではなく、消費者のニーズに応えたサービスの提供が求められるのではないでしょうか。調理時間や手間を減らしたり、買い物の時間と負担を減らしたりするなどさまざまなライフスタイルに合わせた付加価値をつけることが大切です。
デリバリーサービスで扱う料理
デリバリーサービスで扱う料理は主に以下の二つに分けられます。
- すぐに食べられる調理済みの料理
- お客様が調理して食べる料理
ピザや中華料理、そばやうどんなどの出前の定番メニューはすぐにお客様に食べてもらう調理済みの料理、食材の詰め合わせや冷凍食品などはお客様が温め直したり簡単な調理を行ったりする料理です。
デリバリー後にすぐ食べてもらう料理は、お店のキッチンで調理してからお客様の元に届くまで時間がかかるので、その点を考慮して調理方法に工夫が必要です。
お客様が調理して食べる料理の場合は、誰が調理してもおいしく食べられるように、食材の組み合わせやレシピを研究しなければなりません。
どちらの料理を扱うかは、現在の事業の延長としてデリバリーサービスを展開するのか、まったく別の事業として始めるのか、どのようなターゲットに届けるかによって変わります。扱う商品を決める際には、ターゲットのニーズを探り、どのような料理が売れるかを考えましょう。「マーケティングに欠かせない、ペルソナの設定とは」の記事もぜひ参考にしてみてください。
また、デリバリーサービスを始める際には、所属する地域の保健所に手続きが必要かどうかを確認するのを忘れないようにしましょう。
デリバリーサービスを始めるメリット
デリバリーサービスを始めるメリットを考えてみましょう。
店舗でもデリバリーサービスでも同じ料理を扱うのであればメリットは多いでしょう。食材のロスも少なく、オペレーションと設備は同じものを使用できますし、それに合わせて人件費も抑えられます。
また、天気が良くない日や時間帯、お花見やスポーツ観戦などイベントシーズンにはデリバリーサービスの需要が増えるでしょう。「デリバリーサービスで美味しかったから店舗でも」と店舗の新規顧客獲得につながる可能性もあります。
デリバリーサービスのデメリット
デリバリーサービスにはデメリットがあることも理解しておきましょう。
調理してから食べるまでに時間がかかるデリバリーサービスは、店舗以上に衛生面に気をつけなければなりません。すぐに食べてもらう料理の場合は特に注意が必要ですし、品質を高める工夫も求められます。
デリバリーサービスの集客のヒント
デリバリーサービスを始めたら、告知と集客をしましょう。来店するお客様と、デリバリーサービスを利用するお客様は必ずしも一致するとは限らないからです。店内に「デリバリーサービス、始めました」という広告を貼るだけではなく、定期的なポスティングや新聞のチラシなど、対応エリアのお客様に覚えてもらうための宣伝を続けることが大切です。「広告費を無駄にしないチラシ集客のコツ」の記事もぜひ参考にしてみてください。
さらに、注文を受けてからデリバリーするまでのオペレーションなど、新しい仕組みを考える必要があります。デリバリーを担当するスタッフを募集し、配達エリアや配達時間など、細かくルールを設けましょう。また、アンケートによるとフードデリバリーで最も多い注文方法は「電話」のようです。電話対応の教育もしっかり行う必要があります。
ウェブサイトやSNS、ブログなどで、料理やこだわりを発信したり、オンラインで注文を受けるシステムを導入したりすると、利用者の幅が広がります。
たとえばSquareなら無料で、オンライン注文用のウェブサイトを開設することができます。オンラインで注文を受けられるだけでなく、決済、デリバリー時間の指定も可能です。電話で注文するお客様向けには、支払い方法にクレジットカード決済を導入することも効果的でしょう。料理を届けた際のお釣りのやりとりの煩わしさを無くし、スムーズに対応することができます。
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執筆は2018年1月23日時点の情報を参照しています。2023年2月15日記事の一部情報を更新しました。現時点では、タクシー・ハイヤー等での電子マネー決済のご利用はできません。ご了承ください。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。 Photography provided by, Unsplash