経営者として知っておきたいQRコード決済の基本

訪日外国人観光客が急増することが予想される2020年の東京大会、2025年の大阪・関西万博を前に、政府はキャッシュレス決済の導入を推進しています。サービス提供企業によるさまざまなキャンペーンが話題になったこともあり、QRコードを使った決済方法が注目を浴びています。

今回は、QRコードとは何か、QRコード決済の仕組みや魅力、導入の際に確認すること、そして課題と利用率について解説します。

目次



QRコードとは

QRコードは縦と横の二次元に情報をもつバーコードで、1994年に株式会社デンソーウェーブによって開発されました。QRとは「迅速な対応」を意味する英語「Quick Response」の略で、その名の通り、読み取りの速さが大きな特徴です。黒いバーを横方向に並べた、一次元情報しかもたないバーコードと比べ、より多くの情報を格納できます。一次元バーコードの容量は英数字で最大20字程度ですが、QRコードは数字が最大約7,000文字まで格納でき、漢字や記号などを扱うことも可能です。

当初は製造業の生産管理に用いられていましたが、携帯電話に内蔵されたデジタルカメラからも読み込めることから広く普及し、現在では航空券や処方せん、モバイルクーポンなどさまざまなシーンで活用されています。

QRコード決済の魅力

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スマートフォンの普及で広がりを見せるQRコード決済の魅力は何でしょうか。

スマートフォンを保有しスマートフォンアプリを利用したことがある10代から50代の2,000名を対象にした調査では、QRコード決済の魅力として「現金・カードを持ち歩かなくてもスマホだけで支払いができる」(36.6%)、「現金に比べて店頭での支払いが簡単でスピーディ」「支払うたびにポイントが貯まるなどお得」(ともに32.9%)、「ATMでお金をおろさなくても済む」(28.0%)などがあがっており、お財布を持たなくていい手軽さと現金に比べ支払いがスピーディな点が特長といえます。

参考:「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査2018年」の発表(有限責任監査法人トーマツ)

QRコード決済の仕組み

QRコード決済の特徴の一つは導入の手軽さです。店舗はお客様向けにQRコードを掲示するか、お客様のQRコードを読み込むためのスマートフォンやバーコードリーダーを準備するだけです。数十万かかるといわれている高額なCAT端末なしにキャッシュレス決済に対応できるのは、事業者にとって嬉しい点です。

お客様はQRコード決済用のアプリをダウンロードし、アプリを手持ちのクレジットカードや銀行口座と紐づけるか、現金をチャージしておきます。

店舗での決済方法は、ユーザースキャン方式とストアスキャン方式の二種類があります。

ユーザースキャン方式
お客様(ユーザー)が、店舗のQRコードをスマートフォンのアプリで読み取る決済方法です。店舗はQRコードを印刷した紙を用意するか、スマートフォンやタブレット、サービス提供企業の専用端末などを使ってQRコードをお客様に提示します。

ストアスキャン方式
お客様がスマートフォンのアプリ上に自分のQRコードを表示し、店舗が専用端末やバーコードリーダーなどを使って読み取る決済方法です。

QRコード決済導入における確認事項

店舗がQRコード決済を導入するには、利用したいサービスに加盟店申請をして審査を通過する必要があります。その際に確認することを見てみましょう。

決済手数料
クレジットカード決済と同じくQRコード決済には決済手数料がかかります。QRコード決済で販売した商品やサービスの代金の数パーセントを手数料として事業主が支払いますが、各社異なる手数料率を設定しているため、事前の確認が必要です。

導入費用
多くのサービスでは、入会金などの導入費用が無料です。ユーザースキャン方式であれば、インターネットに接続できる環境と、QRコードを表示させたり読み込んだりするタブレットやスマートフォンがあれば準備は完了です。ストアスキャン方式でQRコードとPOS端末を連携させたい際は、POS端末をカスタマイズするなどの費用がかかります。

ランニングコスト
月額利用料や振込手数料といったランニングコストについても把握しておきましょう。月額利用料は無料としているサービスが多いものの、サービスが提携している金融機関以外の口座への振込を希望する場合は手数料がかかる場合があります。

審査日数
申請受理後、審査が始まります。申請から審査完了までの日数は、最短で1営業日という場合もあれば追加書類の提出などが必要となって1か月以上かかる場合もあります。

QRコード決済の課題

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費用面でも機器面でも導入が容易なQRコード決済。しかし以下のような課題もあります。

利用できる店舗
QRコード決済にはさまざまな種類があり、店舗が加盟しているサービスとお客様が利用しているサービスが必ずしも一致するとは限りません。そのため、複数のサービスに対応しているお店も多く、その数だけ異なるQRコードをレジスタンドなどに提示することになります。また、複数のQRコード決済を導入するにあたって、各サービスと個別で契約している場合、入金サイクルがサービスごとに異なるのでキャッシュフローの管理が煩雑になりがちです。決済代行会社を利用することで契約や入金管理などを一本化することができるので、検討してみるといいでしょう。

支払いにかかるスピード
クレジットカードや電子マネーなどと比べると支払いから決済完了までに必要な動作が多く、時間がかかるかもしれません。特にユーザースキャン方式の中には、お客様自身に金額を入力してもらう場合があります。QRコード決済に慣れていないお客様は支払いに時間がかかる可能性があります。

QRコードには、紙に印刷した「静的QRコード」と、スマートフォンやタブレットに表示される「動的QRコード」の2種類があります。後者の動的QRコードを使ったユーザースキャン方式では、店舗が提示したQRコードを読み取るとお客様のスマートフォンに金額が自動で入力される仕組みのものもあります。お客様自身で金額の入力をする必要がないので、支払いにかかる時間の短縮だけでなく、お客様の負担も軽減します。

QRコードの利用率

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2018年頃から普及し始めたQRコード決済ですが、スマートフォンで決済が完了する手軽さや、ポイントやキャンペーンでお得に買い物できるメリットなどにより利用者数は急速に増加しています。2021年に5,000人を対象に行われた決済動向の調査結果によると、56%、つまり約2人に1人がQRコード決済を利用していることが分かりました。

参考:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)
QRコード決済の利用率が56%と過去最高を更新 注目を集めるBNPL(後払い決済サービス)の利用者は約7割が女性(株式会社インフキュリオン)

元々利用率の高かったクレジットカードや電子マネーといった決済手段に加え、利用率が急速に伸びているQRコード決済を導入することで、お客様の利便性も高まります。Squareなら、低コストかつ短期間で、クレジットカード・QRコード・電子マネーと複数のキャッシュレス決済が導入できます。

必要なコストは、決済端末の代金と決済ごとにかかる決済手数料です。固定費はかかりません。審査に通過すれば最短で即日から利用でき、決済手数料を引いた売上金額が最短で翌営業日に振り込まれます。また、請求書発行機能(Square 請求書)やPOSレジ(※)といった日々の経営に役立つ便利な機能も無料で利用できます。

まだキャッシュレスに対応していないなら、ぜひ、この機会にSquareでキャッシュレス決済の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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執筆は2019年5月14日時点の情報を参照しています。2022年8月9日に記事の一部情報を更新しました。
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