最近カフェやレストランで、iPhoneなどのモバイル端末を使ったPOS活用を目にしたことがある人は多いでしょう。こうしたトレンドから分かるように、近年、店舗の売上管理ツールの「モバイル化」は顕著に進んでいます。
今回は、モバイル端末を活用したモバイル決済について、導入のメリットと活用方法をご紹介します。
目次
- モバイル決済とは
- カードリーダーを使ったモバイル決済
- モバイル決済を導入することのメリット
・多方面のコスト削減
・資金繰りを助ける入金の早さ
・連携して広がる機能
・スペース節約と優れた携帯性 - モバイル決済導入のデメリット
・利用中の途上審査がある
・モバイル端末に触り慣れていない場合は戸惑うことも - モバイル決済の活用シーン
モバイル決済とは
モバイル決済とは、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末を使って行う決済を指します。ここでいう決済とは、商品やサービスが売買される度に発生する会計処理を指します。
店舗側が準備したiPadなどのモバイル端末を利用し、クレジットカードなどの会計処理を行うことがモバイル決済の特徴です。
カードリーダーを使ったモバイル決済
店舗が準備したモバイル端末を利用して決済が行われます。会計時には、お客様のクレジットカードをモバイル端末に接続したカードリーダーで読み取り、決済を完了させます。
加盟店としての審査があるなどいくつかの条件を満たす必要がありますが、カード利用を好むお客様を逃してしまわないためにも、店舗側がクレジット決済に対応しておくことは重要です。クレジットカードを使えるか使えないかという基準で入店を決めるお客様もいらっしゃいます。
また、電子マネーは小銭代わりに少額の商品やサービスの購入に使われることが多いのに対して、クレジット決済は持ち合わせの現金では支払えないような高額商品の購入に使われることが多いという点も、クレジット決済の利点といえます。
クレジット決済のメリットについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
しかし、これまで店舗側がクレジット決済に対応するためには、クレジットカードを読み取るための専用端末に多額の費用を払う必要がありました。さらには、月額使用料や加盟店手数料が発生したりと、資金繰りに余裕がある大規模の店舗ならともかく、個人事業主や中小規模の小売店や飲食店にとっては気軽に導入できるものではありませんでした。
そこで登場したのが、モバイル決済です。事業者は、専用端末に比べて安価で手に入るスマートフォンやタブレット端末と、数千円で購入することができるカードリーダーさえ用意すれば、専用アプリを通してリーズナブルにクレジット決済に対応できるようになったのです。
モバイル決済を導入することのメリット
多方面のコスト削減
前述の通り、クレジット決済専用端末に比べ低価格で導入することができます。スマートフォンやタブレット端末だけでなく、クレジット決済に必要なカードリーダーは専用のオンラインショップ、または家電量販店で購入できる(※)ところもあるので、導入にかかる費用と手間の両面においてコストを削減することができます。モバイル決済を利用開始するための審査も、アカウントを作成してから必要な情報を入力するだけで全てオンラインで完了することができ、早い場合には一週間ほどで審査を通過することもあります。
※Square リーダーの取り扱い店舗はこちらからご確認ください。
また、クレジット決済を機能させるために必要なアプリは、無料で配信されている場合が多く、いずれもタップやスワイプなど画面を見ながら直観的に操作を行えるので、普段から同じような端末の操作に慣れている従業員にとっては、数回練習をしただけで手順を覚えられ、従業員にかける教育コストの削減にもつながるといえます。
資金繰りを助ける入金の早さ
売上代金が手元に届くまで、1カ月前後の時間を要していたのが従来の決済端末。一方でモバイル決済端末は、支払いサイクルの早さが大きな特徴です。たとえばSquareであれば、最短翌営業日の振り込みが叶います(※)。現金とほとんど同じスピードで売上代金を回収ができるうえに、扱う現金の総量が減れば、銀行での入出金やレジの中身を手で数えるなど、現金管理にあてる時間が短縮できるので、多くのタスクを抱える事業主にとってはうれしい点かもしれません。
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連携して広がる機能
モバイル決済の大きな魅力の一つとして、連携のしやすさが挙げられます。連携しているアプリをダウンロードすることで、決済処理だけでなく、さまざまな機能を利用することができます。
たとえば、決済時の会計内容を売上データとして集約することができます。「いつ、どこで、何が、何個売れたのか」という情報を連携したアプリで管理することができれば、同じ端末上から売上管理・分析をいつでもどこからでも行うことができます。このように、商品が売れた時点で、売り上げに関する情報を自動的に記録するシステムをPOS(販売時点情報管理)と呼び、モバイル決済は、このPOSを搭載したモバイル端末上で行われる場合がほとんどです。
他にも、CRMに活用したり、会計ソフトと連携させたりと、同じモバイル端末上でデータ化された情報をあらゆる角度から組み合わせ、店舗運営の戦略縦に役立てることができます。
POSシステムについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
スペース節約と優れた携帯性
従来のレジは、読み取り端末などの付属品を有線で接続するためにレジ周りの整理が煩雑になりがちだったり、専用通信経路の確保が必要であったり、大きく重たく固定式であるため手軽に移動することができなかったり、というデメリットがありました。
一方、モバイル決済は、必要に応じてキャッシュドロワーやレシートプリンターを付属させても、レジの操作は全てモバイル端末上で行われるので、すっきりしたレジ周りが実現されます。おしゃれなショップやカフェなどにとっては、スタイリッシュなモバイル端末のレジは店内の雰囲気に馴染みやすいというメリットも挙げられるでしょう。
また、モバイル決済は、お使いの端末がインターネットを介して決済を行うので、専用回線を通じて決済を行う従来のレジと異なり、据え置きする必要がありません。
お客様のテーブルに持ち運んで、対面しながら会計を処理することも出来ますし、イベント出店や出張販売にも、普段と変わらないモバイル決済を受けつけることができます。屋外で使用できるというメリットは、モバイル決済ならではの特長です。
モバイル決済導入のデメリット
利用中の途上審査がある
従来の加盟店審査は、個人事業主や開業して間もないビジネスなどにとってはハードルの高いものでした。一方でモバイル決済は、従来の加盟店審査に比べて受け皿が広く、審査通過が難しいとされるビジネスにも機会があるといえます。
しかし、幅広い業種を受け入れる体制を整える代わりに、モバイル決済サービスは途上審査というものを行ないます。途上審査とは、クレジットカード決済を取り扱ううえでトラブルは発生していないか、違反行為と思われる行為をしていないか、などを不定期に確認する抜き打ちテストのようなものです。仮に加盟店審査に通過したとしても、途上審査で違反行為が確認されれば、利用を取り消される可能性があると心にとめておきましょう。
モバイル端末に触り慣れていない場合は戸惑うことも
普段からスマートフォンなどのモバイル端末に触り慣れていれば、使い慣れている端末にBluetooth接続するだけで使い始めることができるので、複雑に感じることはそこまでないでしょう。一方で「スマートフォンは電話としてしか使用していない」「細かい設定は自分で変えたことがない」などの場合は、説明書に頼る場面も少なくないかもしれません。
モバイル決済の活用シーン
モバイル決済のメリットを、費用、入金の早さ、機能の拡張性、携帯性という面から着目してきましたが、導入後に集客や売上アップに効果が見られなければ、モバイル決済を導入する意味がありません。
今後さらに多様化していくであろうお客様の購買行動を把握し、どのような場面でモバイル決済が魅力となるのかを考えながら導入を検討していきましょう。
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低コストでクレジットカード決済を導入でき、売上管理も簡単に行える、モバイル決済。以前までクレジットカード対応に踏み切れずにいた個人事業主や中小ビジネスでも、手軽にはじめられるうれしい選択肢です。モバイル決済を用いて、多様化するお客様の決済ニーズに応えてみてはいかがでしょうか。
執筆は2017年3月6日時点の情報を参照しています。2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。現時点では、タクシー・ハイヤー等での電子マネー決済のご利用はできません。ご了承ください。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by,Unsplash