いまや当たり前のように駅の改札口でかざす交通系ICカード。前もって現金をチャージしておけば乗車券として使えるのはもちろんのこと、最近ではコンビニやレストラン、カフェなどでも使えることから、お財布代わりに利用する人も増えています。数多くある電子マネーのうち、JR東日本が発行するSuicaが最も認知率と利用率が高いという調査結果も出ていることもあり、「Suicaでも払えますか?」などと聞かれる頻度が増えた、と実感する店舗オーナーも多いかもしれません。一方で、「導入はしたいけど、どのサービスを利用すればいいかわからない」「手数料が高そう……」といった声も少なくありません。
参考:生活者に選ばれている電子マネーとは?利用実態を調査(市場調査メディアホノテby Macromill)
この記事ではSuicaに焦点を当てて、導入のメリットや導入方法、手数料などについて触れながら、導入にまつわる疑問点を解消していきます。
目次
- 交通系のなかでも、利用エリアが広いSuica
- お店がSuica決済を導入するメリット
- Suica決済を導入する方法
- Suica決済の手数料
- Suica決済は、低コストなマルチプレーヤーのSquareで
交通系のなかでも、利用エリアが広いSuica
交通系ICと一口に言っても、種類はJR東日本のSuica、JR西日本のICOCAなど、全国で相互利用できるものが全部で10種類、特定の地域のみで使えるものが40種類近く存在します。
参考:交通系ICカード「導入費用」は半端じゃない (2018年3月24日、東洋経済)
なかでも普及率が高いのは、発行枚数が2021年12月時点で8,500万枚を超えているJR東日本の「Suica」です。スマートフォンにアプリをインストールして利用する「モバイルSuica」も発行枚数は1,400万枚を超えており、「Suica」ブランドが交通系ICとして多くの人に利用されていることがわかります。首都圏エリアではちろんのこと、仙台、新潟、北海道、東海、西日本、北九州、沖縄の鉄道やバスでの利用が可能。2021年3月時点では、全国で約112万店舗がSuicaに対応しています。2019年3月時点の利用店舗数が61万であったことから、着々と利用可能店舗が増えていることが伺えます。
参考:
・利用可能エリア(JR東日本)
・2021ファクトシート(JR東日本)
最近では券売機にわざわざ行かなくてもスマートフォンからいつでもチャージができる「モバイルSuica」の誕生に続いて、Apple PayやGoogle PayでもSuicaが利用できるようになり、利便性は高まる一方です。
加えて、JR東日本とソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、JR東日本メカトロニクスは、特定の地域でしか使えないICカードとSuicaを一つのカードにまとめた「地域連携ICカード」の提供が開始されるなど、Suicaのますますの普及が予想されます。
参考:
・IT・Suica事業(JR 東日本)
・Suica 機能を持つ地域連携 IC カードのサービスが広がります!(JR東日本)
お店がSuica決済を導入するメリット
会計時間が早まり、混雑解消
ある調査では現金決済にかかる時間は28秒、という結果が出ています。一方でSuicaの処理時間は、ICカードからでもスマートフォンからでも0.2秒。
お客様が財布から小銭を取り出すのを待ったり、お客様にお釣りを返したりしているうちに、レジに長い行列が……という場面には身に覚えがあるかもしれません。Suicaに対応すると会計時間がぐっと縮まり、お客様を長いことお待たせすることなく決済ができるでしょう。
参考:
・決済速度に関する実証実験結果(2019年8月28日、株式会社ジェーシービー)
・乗る・買う・話すが一つになった「モバイルSuica」の誕生まで(JR東日本)
・7pay終了で沸き起こる「Suica最強説」は本当なのか(マネー現代、2019年8月11日)
幅広い客層を狙える
キャッシュレスを好む層に向けて、クレジットカード決済の導入は効果的だといえます。しかし、クレジットカードには審査があり、年齢などの理由で所有できない場合もあります。クレジットカード決済の導入に合わせて、券売機や窓口から手軽に手に入れられるSuicaに対応しておくと、クレジットカードを持たない層も囲いこむことができるでしょう。
Suica決済を導入する方法
Suicaを導入する方法は大きく三つに分かれます。選ぶ際には以下のうち、どれを希望するかを明確にしておくと適切なサービスが見つけやすくなるでしょう。
(1) Suica決済のみ(※)
(2) Suica決済+その他電子マネー決済
(3) Suica決済+その他電子マネー決済+クレジットカード決済
※「交通系ICカードの全国相互利用サービス」に伴い、Suica決済に対応すると、Kitaca、PASMO、manaca、TOICA、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA(PiTaPaは除く)での電子マネー決済も受け付けられるようになります。
(1)の場合:JR東日本が提携している代理店に申し込む
Suicaでの決済のみ受け付けたい場合は、JR東日本が提携している代理店と直接契約を結び加盟店になるという方法があります。なかには「Suicaの導入をお考えの飲食店のみ受け付けます」「Suicaの導入をお考えの飲食店や社員食堂などのみお受けいたします」など、条件を提示している代理店もあるので、事業に合う代理店をSuica電子マネー決済導入に関するお問い合わせ先(JR東日本)から探しましょう。
導入における特徴は以下の表からご確認ください。
(2)の場合:マルチ電子マネー決済端末を導入する
電子マネーにはSuicaのほかにもQUICPayやiD、nanacoやWAONなど、さまざまな種類が存在します。人によって普段使う電子マネーも異なるため、必ずしもお客様がSuicaなどの交通系ICを希望するとは限りません。あらゆる電子マネーに柔軟に対応したい場合は、一つの端末で複数の電子マネーに対応できるマルチ電子マネー決済端末がおすすめです。
マルチ電子マネー決済端末を提供しているサービスには「KAZAPi(かざっぴ)」や「ヤマトフィナンシャル株式会社」などが挙げられます。ヤマトフィナンシャルに関しては、「イベント時だけ、小銭をなくして電子マネーに対応したい」という事業主に向けてレンタル端末を提供しており、臨時的に導入したいというニーズに応えてくれます。
参考:
・KAZAPi加盟店募集(株式会社アイタウン)
・電子マネー端末レンタルサービス(ヤマトフィナンシャル株式会社)
(3)の場合:モバイル決済を導入する
膨大なコストを割かずに導入できることから小規模事業者から近年注目を浴びているのが、モバイル決済です。電子マネーでの決済に加えて、クレジットカード決済、QRコード決済、サービスによってはタッチ決済にも一台で対応できる点が特徴です。すべてに対応したモバイル決済端末といえばSquareなどが例に挙げられるでしょう。
端末さえ手に入れれば、あとは手持ちのスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末とBluetooth接続するだけで、決済が受け付けられるようになります。
Suica決済の手数料
電子マネー決済を検討するうえで、まず知っておきたい情報といえば決済にかかる手数料でしょう。
従来では、業種の規模や業態などにより決済手数料は異なるものでした。たとえばコンビニなど決済頻度が高い業種であれば1%から2%程度で決済を受け付けられるものの、決済頻度がそれと比べて少ない小規模の店舗では、4%から7%ほどの手数料がかかるとされていました。
しかしながら、近年では業種を問わず、決済手数料を一律3%台とするキャッシュレス決済サービスが増えています。Suicaを含む電子マネー決済も同じように、3%から4%ほどが手数料の相場とされています。たとえばSquareなら交通系ICにかかる決済手数料は3.25%です。
Suica決済は、低コストなマルチプレーヤーのSquareで
Suica決済はもちろん、そのほかのキャッシュレス決済にもまるっと対応できたらうれしいと考える人におすすめなのは、Squareです。
Squareであれば、
- Suica決済を含む電子マネー決済
- タッチ決済を含むクレジットカード決済
- QRコード決済
のすべてに対応が可能です。そのほかにも「運営コストをおさえたい」「入金サイクルが心配」「すぐにでも導入したい」と思う人にはうれしいメリットがいくつかあります。
※Squareが扱う電子マネーは、Suica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけんを含む交通系IC、QUICPayとiDです。QRコード決済はPayPayです。
決済手数料は3%台
Suicaを含む交通系ICの決済手数料は、3.25%。
Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club、Discoverカード、QRコード決済のPayPay、QUICPayも3.25%の手数料で決済を受け付けることができます。また、iDは3.75%です。
※Squareの料金体系はこちらからもご確認いただけます。
最短3日で導入が可能
Suica決済を実店舗で取り扱うための第一ステップは、審査の申し込みです。通常、審査には1週間から1カ月ほどかかるものの、Squareであれば審査にかかるのは最短で3営業日。申し込みからたったの数日でSuica対応店舗に生まれ変わることができます。
電子マネーに申し込むための手順は、こちらからご確認ください。
初期費用は端末台のみ。月額費用はなし
導入に必要なのは端末代金と決済ごとにかかる手数料のみ。端末は予算やビジネスの規模にあわせて、以下の3種類から選ぶことができます。
(1) Square リーダー(写真右)
(2) Square ターミナル(写真中央)
(3) Square スタンド(写真左)
月額利用料金はゼロ。維持費がかさむ心配なしに、Suicaでの電子マネー決済を受け付けることができます。
売上額は最短翌営業日入金
キャッシュレス決済の入金サイクルは月1回程度のサービスが多く、資金繰りを心配してなかなか踏み込めずにいる事業主も少なくないかもしれません。Squareであれば、Suicaを含むキャッシュレス決済で受け付けた売上代金が最短翌営業日に振り込まれます(※)。振込申請など、特別な手続きを行う必要はありません。
※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。
三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます
Suicaの利用エリアや店舗数が年々増え続けるなか、Suica決済の需要は今後も高まることが予想されます。この記事では、その需要に対応できるよう、Suica決済を実店舗に導入する手段を見ていきました。なかにはSuica単体で導入できるサービスもあれば、たったの一台でクレジットカード決済からSuicaを含む電子マネー決済、QRコード決済に対応できるサービスもあることがわかりました。意外なことに、後者のほうが単体で導入するよりも、コストが抑えられることも明らかになりました。
キャッシュレス決済を好む層をしっかりと囲うためにも、Suica決済を検討している場合は、思い切って実店舗をキャッシュレス対応にしてみるのも良案かもしれません。
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執筆は2020年8月31日時点の情報を参照しています。2023年6月27日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash