安全・効率的なカード決済を可能にするクレジットカード読み取り機とは

2020年の東京大会の開催に向けて、政府は国内市場のキャッシュレス化に向けた対策を打ち出しています。

内閣官房、金融庁、消費者庁、経済産業省、国土交通省、観光庁が連名で発表したキャッシュレス化に向けた方策では、訪日外国人観光客向けに海外発行クレジットカードなどで現金の引き出しができるATMの設置や、地方の商店街や観光地でのカード決済端末の導入促進など、インフラ整備における対策が具体的に盛り込まれています。

一方、悪質な加盟店などによるカード決済の不正利用の防止策、全てのカード決済端末のIC化、キャッシュレス決済の適切な利用に関する消費者教育などの対策も掲げられており、今後、クレジットカードなどを利用したキャッシュレス決済の普及の加速化が期待されています。

このような動きに伴い、国内外問わず、カード利用に積極的なお客様を囲い込むためにも、今のうちからキャッシュレス決済に対応した体制を整えておくことが各事業者に求められているのではないでしょうか。

今回は、カード決済に必要となるクレジットカード読み取り機が、時代と共にどのように変遷してきたかについて各端末の特徴を挙げながらご紹介していきます。

インプリンターを使ったカード決済

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現在ではあまり見かけなくなりましたが、クレジットカード情報の読み取りにインプリンターという機械が使われることがあります。1970年代ごろまで日本ではこの方法が主流でした。

エンボスと呼ばれるカード表面に浮き出た会員情報(カード番号、有効期限、カード保有者の氏名など)を転写し、加盟店情報や決済金額などを手書きで記入して売上票を作ります。この際、カードの有効性を確認するためにカード会社の信用照会(オーソリゼーション)窓口に電話をし、口頭で承認番号を取得する必要がありました。

売上表は、お客様控え、店舗控え、カード会社提出用の3枚複写になっており、それぞれにお客様の署名をもらう必要があります。承認番号の取得は与信管理のために過ぎず、決済を完了させるためにはカード会社に売上票を郵送する必要があります。

転写することで少なくともカード番号などエンボス部分の転記ミス防止にはなりますが、その他の決済に関する情報は全て手書きで記入する必要があり、決して安全な手段とはいえないでしょう。カード利用の度に取扱店舗はカード会社に信用照会をする必要があり、素早い決済と呼ぶには程遠いものでした。

しかし、通信インフラが整っていない地域では今でもインプリンターによるカード決済は行われているのが現状です。また、停電時や通常利用しているカード決済端末の故障時などに備えて、インプリンターを最低一台は用意しているという店舗もあるようです。持ち運びができるので、営業マンが訪問先などで利用したりとアナログならではの長所もあります。

とはいえ、インプリンターは通信環境を必要とせず、場所を問わずにカード決済ができてしまうため不正利用が多く、現在は「通常はCAT端末(後述あり)を利用し、インプリンターは災害時などのみに利用」などの条件を定めた上で導入している場合が多いです。

CAT端末の台頭

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電話回線やインターネット回線の普及が進んだ1990年代に入り、インプリンターに代わって台頭してきたのが、信用照会端末を意味するCAT(Credit Authorization Terminal)です。

インプリンターは、転写によるカード情報の読み取りはできても信用照会はアナログで行う必要がありました。一方CAT端末は、クレジットカード情報の読み取りとカードの有効性(有効期限、限度額、盗難紛失の届出など)の確認を同時に行うことができるので、売上処理と同時に決済を完了させることができます。この機能によって、CAT端末の普及は一気に進みました。

機種によって操作手順は多少異なりますが、基本的な操作内容は、決済金額の入力、支払い方法の選択、端末に挿入したカード情報の読み取りです。その後、会社と端末間で通信を利用した信用照会が自動で行われます。支払いが承認されると決済が完了し、お客様はカード会社用の売上票にサインをします。

カード情報の読み取りには、カードに埋め込まれたICチップを読み込む方法と磁気ストライプ式カードをスワイプして読み込む方法の二種類があります。

両者の違いは、カードの情報を盗み取るスキミングや不正利用の防止効果にあります。カード情報を盗み取ることが比較的容易にできてしまう磁気ストライプ式に比べ、ICチップは情報を暗号化して格納することができます。また、サインの代わりにカード保有者しか知り得ない暗証番号を入力してもらうことも不正利用防止の強化に効果を発揮します。

しかし、現在普及しているCAT端末にも、未だにIC取引に対応していない端末が多く見られます。ヨーロッパではICチップ搭載のカード利用が義務化されている地域もあり、偽造カード被害が日本に集中することを防ぐためにも、日本クレジットカード協会は、事業者と行政が一体となってIC取引を推進していくことを呼びかけています。

参考:クレジットカードの不正使用防止対策とIC化の取組み状況について(一般社団法人日本クレジットカード協会)

CAT端末には、レジなどの会計処理を行う機械に接続して利用する据え置きタイプと、イベントなどの屋外販売や移動販売などでカード決済を受け付けることができるポータブルタイプとがあります。後者は、現金を持ち合わせていないお客様や積極的にカード利用を好むお客様に対する販売機会の損失の防止に大きな効果をもたらしています。

しかし、いざCAT端末を導入しようとすると、種類の多さや異なる料金設定にどれを選べばよいか悩んでしまうかもしれません。一般的に、CAT端末のようなクレジットカード決済のための専用端末は、店舗の業種や用途に合わせてカスタムされることが多く、専用回線の工事費などを含めると、初期導入費用だけで数十万円になることがあります。更に、サポートやメンテナンスなどの月額利用料や決済手数料が発生したりと負担する出費は少なくありません。カード利用が少ない中小規模の事業や、経費にあまり余裕が無い個人事業主にとっては手軽に導入できるものではないでしょう。

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モバイル決済で解決?

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カード決済のメリットを踏襲しつつ、インプリンターの課題である複雑な信用照会手順やCAT端末利用の壁となっている導入費用をまとめて解決するのが、モバイル端末を利用したカード決済です。

Squareが提供するSquare リーダーは、お使いのスマートフォンやタブレット端末とBluetoothで接続するだけで、クレジットカード・QRコード電子マネーでの決済を受け付けることができます。無料で利用できるPOSレジアプリや分析ツールと連携すれば、レストランや小売店など業種を問わず幅広い用途にご利用いただけます。

導入に必要なものはモバイル端末と決済端末のみ。一般的なCAT端末に比べ、導入費用の大幅な削減が実現します。端末の通信を利用するので、専用回線の工事も必要ありません。

モバイル端末ならではの軽量性・携行性も大きなメリットです。どこへでも持ち運ぶことができ、場所を問わずいつでもキャッシュレス決済が可能です。美容院や飲食店などでは、お客様のカードを一時的に預かる必要なく目の前で決済を完了することができ、お客様の満足度向上にも効果的です。

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▲Square リーダーの使用例

「決済端末に必要なタブレットがない」「レシートプリンター搭載の決済端末がほしい」などの場合は、Squareのオールインワン決済端末(Square ターミナル)の導入がおすすめです。1台で決済機能・POSレジ機能・レシートプリンターを兼ね備えているので、決済端末・タブレット・プリンターをそれぞれ別々で揃えるよりもコストを抑えられる可能性があります。Bluetooth接続の必要もなく、電源を入れるだけですぐに使い始めることができます。カード情報の読み取りは、磁気ストライプ式とICチップの両方に対応しており、前述のIC取引の推進に伴い決済端末の買い替えなどの対応が必要となる事業者にとっては導入しやすいオプションとなるのではないでしょうか。

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▲Square ターミナルの使用例

一度キャッシュレス決済を導入してしまえば、その後発生する費用は、金額に関わらず固定された決済手数料のみで、それ以外の利用料は一切かかりません。最短翌営業日という素早い入金サイクルも魅力の一つです。

時代に柔軟な選択を

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キャッシュレス化が加速し、購買行動や決済手段が多様化していく中、各事業者にはこれまで以上に時代に柔軟な運営形態が求められます。旧来型の決済手段に固執することなく、処理にかかる負担や費用などのコスト面、情報の取り扱いにおけるセキュリティー面を検討し、事業拡大に効果的なサービスを正しく選択、利用していくことが重要です。


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Square ICカードリーダーを利用した決済手数料についてはこちらをご確認ください。
執筆は2017年3月21日時点の情報を参照しています。2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。