以前まで当たり前だった、「ほしい商品があれば、店舗まで足を運ぶ」という消費活動。新しい生活様式では、通販を利用したり、空いている時間に店舗に足を運んだり、など人との接触を控えた買い物方法が推奨されるようになりました。
参考: 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました(厚生労働省)
店舗に加えて、電波と充電さえあればいつ、どこにいても操作できるスマートフォンを経由して商品やサービスをお客様に届ける方法が、ビジネスには問われているかもしれません。たとえば最近では小売店や飲食店が通販をはじめたり、骨董市などの大規模イベントがオンラインで行われたりなどのニュースも目立ちます。デジタルへのシフトを試みている最中、というビジネスも少なくないでしょう。
そこに欠かせないことといえば、決済方法です。今までは店舗で現金だけを扱ってきたビジネスも、オンラインで受け付けられる決済方法を導入する必要が出てきます。オンライン決済は、現金決済のようにすぐに売上額が手元に渡らない分、資金繰りを心配する事業者も多いかもしれません。
ここではオンライン決済の概要や種類を説明しながら、資金繰りにも安心なオンライン決済の選び方、またオンライン決済が簡単に導入できるSquare オンラインチェックアウトを紹介します。
目次
オンライン決済とは
オンライン決済とは、その名の通り、オンラインで決済処理を行うことを指します。たとえばECサイトで洋服を購入するときにオンラインで決済をすることや、イベントへの参加券をオンラインで購入するのも、オンライン決済のうちに含まれます。
オンラインでモノやサービスを購入する際、購入者はどのような決済手段を好んで利用しているのでしょうか。株式会社ネットプロテクションズが、ECサイトで使用されるオンライン決済の方法を調査したところ、クレジットカード決済の利用率が群を抜いて高いことが明らかになりました。ほかの決済方法と比べてみると、その利用率の高さがより顕著に分かります。
参考: ネットプロテクションズ、令和版決済ニーズのアンケート結果を公開(株式会社ネットプロテクションズ、2020年4月6日)
ここでは上記の調査に含まれていない決済方法も合わせて、オンライン決済の種類を六つ紹介します。
クレジットカード決済
前述のネットプロテクションズの調査で、ECサイトでクレジットカードを利用する理由を聞いたところ、最も多かった回答は「支払いが便利・楽だから(52.2%)」。続いて「どんなサイトでも使えるから」と答えた対象者は49.8%にのぼり、「ECサイトではクレジットカードが使えて当たり前」と考える消費者が半数近くいることがわかります。
参考: ネットプロテクションズ、令和版決済ニーズのアンケート結果を公開(株式会社ネットプロテクションズ、2020年4月6日)
クレジットカード決済は、決済画面にお客様がカード情報を入力して支払い手続きを行う決済手段です。事業主の口座には、手数料を差し引いた売上額が後日振り込まれます。どのサービスを利用するかによって、
- 決済にかかる手数料
- 入金日
- 入金手数料
などが異なることを念頭に置いておきましょう。
決済サービスによっては売上額を週に1回振り込むところもあれば、月末締め翌月末振込のところもあります。最近ではスピーディーな入金サイクルが特徴なサービスも少しずつ登場しており、Squareであれば最短で翌営業日入金が可能です(※)。
※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。
三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます。
コンビニ決済
冒頭の調査では、利用者が1割以上いたコンビニ決済。その名の通り、コンビニで代金を支払う決済方法です。支払い方法は前払いと後払いがあり、ECサイトなどに導入する場合はいずれかを選択することが多いようです。クレジットカードを持っていない層に向けて、用意しておきたい決済方法でしょう。
銀行決済
口座にある預金から支払えるのが、銀行決済です。銀行決済と聞くと、ATMなどに足を運んで振り込むことを想像する人が多いかもしれませんが、最近ではネットバンキングやバーチャル口座決済、Web口座振替など、銀行決済といっても方法はさまざまです。
なかでも代表的なサービスとして挙げられるのは「Pay-easy(以下ペイジー)」。お客様は注文画面で支払い方法に「ペイジー」を選択すると、ネットバンキングを通じて決済ができるのはもちろんのこと、各金融機関のATMで支払うこともできます。利用できる銀行は114行、信用金庫であれば255庫、と全国にある多くの金融機関が利用できるのも特徴的です。
コンビニ決済と同様、クレジットカードを利用しない層を囲える決済方法ではあるものの、入金の確認作業にある程度の時間と手間がかかるという懸念点があります。
キャリア決済
ネットショッピングの代金を携帯の利用料金と一緒に支払えるのが、キャリア決済です。代表的なサービスとしては、
- ドコモ払い
- auかんたん決済
- ソフトバンクまとめて支払い
などがあります。注文画面からキャリア決済のログイン画面に遷移し、そこから注文内容を確認し、決済を完了させるという流れです。お客様からしてみると、ログインIDとパスワードを入力するだけで決済を完了できるという便利さがあるものの、キャリア決済の手数料はクレジットカード決済より高く設定されている傾向にあり、事業者には負担になることも考えられます。
ID決済
ID決済は、事前に登録している大手サービスのログインIDとパスワードを入力し決済する方法です。以下のような大手サービスがあります。
- 楽天ペイ
- Amazon Pay
- LINE Pay
- Apple Pay
- Google Pay
- PayPal
お客様にとっては登録済みの決済方法から支払えるため、クレジットカード情報などをいちいち入力せずに済む、というメリットがあります。
電子マネー決済
電子マネーといえば、「Suica」をはじめとする交通系IC、または「nanaco」などの流通系電子マネーがぱっと思い浮かぶかもしれません。ところがECサイトなどで利用される電子マネーには、
と、コンビニエンスストアなどで簡単に購入できるプリペイド式の電子マネーのほうが一般的かもしれません。いずれも購入したプリペイドカードに記載されているIDを購入時に打ち込むことで、使用できます。コンビニ決済や銀行決済と同じく、クレジットカードがない層でも使える決済方法です。
オンライン決済のメリット
販売機会を増やして、売上拡大
わざわざ実店舗に足を運ばなくても、インターネットからサービスに申し込めたり、商品を購入したりできる利便性を求める消費者は年々増えています。
2020年8月に総務省が発表した「家計消費状況調査(2020年6月分)」によると、インターネットショッピングを利用した世帯(2人以上の世帯が対象)の割合は50.8%、とこれまでの調査のなかで最も高い割合を記録しています。
参考: 家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について (⼆⼈以上の世帯) -2020年(令和2年)6⽉分結果-(総務省統計局)
ECサイトは買い物の利便性を高め、より多くのお客様に利用してもらうための集客ツールともいえますが、売上拡大につなげるためには、ターゲット層が求める決済方法を提供することが鍵ともいえます。
商品の購入を検討しているECサイトに希望の支払い方法がなかった場合、消費者がとる行動を見てみましょう。SBペイメントサービスが調査をしたところ、以下のような結果が出ました。
物販サイトに希望する支払い方法がない場合
他のサイトで同じ商品を探して購入する、と答えた女性……61.3%
他のサイトで同じ商品を探して購入する、と答えた男性……63.5%
参考: 【調査結果】ECサイトで希望の決済手段がない場合の離脱率は?(2019年9月13日、SBペイメント株式会社)
調査結果からは、希望する決済方法がなければ、見込客の半数以上を逃してしまう可能性があることが伺えます。見込客をしっかり捕まえ、売り上げにつなげるためにも、ECサイトに導入する決済方法はしっかりと吟味しておきたいところです。
売上管理が簡単
いくつもの決済方法を導入するとなると管理が煩雑になる、というイメージを抱く人も多いかもしれません。オンライン決済サービスを利用した売上管理は、意外と簡単です。
基本的には一つのオンライン決済サービスと契約を結ぶと、複数のオンライン決済方法が取り扱えるようになるものが多く、管理画面にログインするだけで複数の決済方法の売上データがひと目で確認できる仕組みが整ったサービスも珍しくありません。負担を最小限に抑えるためにも、管理画面の見やすさや操作のしやすさは、決済サービスを検討する際に注目してみるといいでしょう。
オンライン決済の注意点
情報漏えいと不正利用被害の可能性
オンライン決済で最も注意を払わなければいけないのは、情報漏えいと不正利用被害です。不正利用について、詳しい内容は「事業者が知っておきたいカード決済の不正被害と対策」の記事にもありますが、簡単にいえば、何かしらの理由でカード保有者以外の手に渡ったカード情報が、不正に使われてしまうことを指します。
情報漏えいと不正被害の大きな原因としてあるのは、ECサイトに適切なセキュリティー対策が講じられていないことです。SSL対応などをはじめとするセキュリティー対策が組み込まれているかは、オンライン決済サービスを導入する際に必ず確認しておきたいところです。オンライン決済を受け付ける際に万全なセキュリティー対策が取れていなければ、事業主が大きな損失を被る可能性が出てきます。
知らずに痛手を受けてしまわないためにも、決済サービスを検討する際には、セキュリティー対策の内容について欠かさず確認しましょう。
オンライン決済サービスの選び方
これまでオンラインで決済を受け付ける際には、扱いたい決済方法を提供する会社と個別に契約を結ぶのが基本的な流れでした。コストも手間も膨大で、なかなか踏み込めずにいるビジネスも少なくなかったかもしれません。しかし、近年では、一つの決済サービスと契約を結び、審査に通過することで、複数の決済手段をいっきに、低コストで扱うことができるようになりました。
多くのオンライン決済サービスは実店舗での決済手段も提供しており、決済代行会社と呼ばれることもあります。ここではオンライン決済サービスを選ぶうえで、重要視したいポイントを見ていきましょう。
初期費用・運営費・手数料は予算内か
従来は、決済手段や販売する商品によって、初期費用や月額費用の個別見積もりを出されることも少なくありませんでした。ところが最近では、いずれの費用も無料とするサービスが増えています。まずは低コストで抑えられるサービスに絞り、その中から必要な機能が揃ったものを探すのも選び方の一つでしょう。
その際に注目したいのは、手数料です。決済手数料を差し引いた売上額が振り込まれますが、サービスによっては以下の手数料が合わせて引かれることもあります。
振込手数料……300円ほど
入金日を早めた際にかかる手数料……300円ほど
一回分の金額はそこまででなくても、年間で計算するとなかなかの金額になるかもしれません。決済手数料以外にも手数料が潜んでいないかを確認しておくと、コストの削減にもつながるでしょう。
資金繰りを苦しめない入金サイクルか
お客様が購入してから、売上額が事業者の口座に振り込まれるまでの入金サイクルは、決済サービスによって大きく異なる点です。月末締め翌月払いのサービスもあれば、翌営業日入金のサービスもあるので、資金繰りに困らないためにも必ず確認しておくべき点です。
セキュリティー対策は万全か
前述のように、万全なセキュリティー対策がとれていないECサイトは、情報漏えいや不正利用の獲物になりかねません。不正利用は大きな損失になるうえ、十分にセキュリティー対策がなされていないECサイトからは、お客様の個人情報などが漏えいしてしまうこともあります。情報漏えいが起きればビジネスは信頼を失いかねないので、できるだけ避けたいところでしょう。
セキュリティー対策には、以下のような対策が講じられているかを確認しておくといいでしょう。
- 情報漏えいや不正利用を防ぎ、安全にクレジットカード決済を取り扱うためのセキュリティー基準であるPCI DSSには準拠しているか
- ネットを介した個人情報の漏えいを防止する手段として、SSLサーバ証明書を導入しているか
- 本人認証サービスの3Dセキュアは導入されているか
利用する客層に合った決済方法が揃っているか
オンラインで買い物をする際に、購入者が使い慣れている決済方法は、年齢によっても少しずつ異なります。
SBペイメントサービスが、通販サイトで使われる決済方法を年代別で調べたところ、20代から60代まではクレジットカードを希望する人が半数以上を占めていることが明らかになりました。
参考: 【調査結果】通販サイトで最も利用される決済手段とは?決済手段導入のポイントを解説(株式会社SBペイメントサービス、2019年8月28日)
クレジットカードの保有率が低い10代に関しても、クレジットカード決済の利用率が多いものの半数には及ばず、コンビニ決済やキャリア決済、後払いなどの利用者が他の年代に比べて多い傾向にありました。
このようにターゲットとするお客様の年齢層を明確にしたうえで、その年代が利用している決済方法が扱えるかも確認しておきたいところかもしれません。
Squareでオンライン決済をはじめよう
ここまではECサイトなどでの販売を念頭に置きながら、オンライン決済について触れてきました。しかし、なかには「ECサイトを立ち上げるのは大変そう……でも、できるだけ早くオンラインにも進出したい」と考える事業者もいるかもしれません。ECサイトを作らなくても、すぐにオンライン決済を受け付けられるツールとしてあるのが、Square オンラインチェックアウト(※)です。
Square オンラインチェックアウトは、商品の名前や値段を登録するだけで決済画面に飛べるお会計リンク(URL)が作れる機能です。対応している決済方法は、ネットショッピングでは最も利用されているクレジットカード決済(※)。
※利用できるカードブランドは、Visa、Mastercard、American Express、Diners Club、Discover、JCBとなります。詳しい決済手数料について詳しくはこちらからご確認ください。
ここではSquare オンラインチェックアウトの特長を見ていきましょう。
・必要なのは、無料アカウントの作成のみ
Square オンラインチェックアウトを使いはじめるには、まず無料アカウントを作成しましょう。その後、審査に通過すればすぐにオンライン決済を受け付けられるようになります。審査結果は、最短申込当日で通知されます。
・手数料は3.6%
これまでは4%から7%ほどが相場だといわれていた、クレジットカードの決済手数料。Square オンラインチェックアウトであれば、手数料は3.6%(※)です。
※詳しくはこちらからご確認ください。
・入金は、最短翌営業日
Squareであれば、決済手数料を差し引いた売上額が最短で翌営業日に指定の口座に振り込まれます(※)。振込手数料など、決済手数料以外の金額が発生することはありません。
※三井住友銀行・みずほ銀行をご登録の場合:0:00 から23:59 までの決済分が、決済日の翌営業日に振り込まれます。
三井住友銀行とみずほ銀行以外の金融機関口座をご登録の場合:毎週水曜日で締め、同じ週の金曜日に合算で振り込まれます
・セキュリティー対策も完備
決済サービスを導入する際には、不正被害などを考慮して、以下のようなセキュリティー対策について確認しておくと安心でしょう。
- 情報漏えいや不正利用を防ぎ、安全にクレジットカード決済を取り扱うためのセキュリティー基準であるPCI DSSには準拠しているか
- ネットを介した個人情報の漏えいを防止する手段として、SSLサーバ証明書を導入しているか
Square オンラインチェックアウトは、特別な手続きなしにPCI DSSにも準拠でき、ページのSSL化にも対応できるので、安心して決済を受け付けることができます。
・定期購入に対応可能
Square オンラインチェックアウトのサブスクリプション機能を利用することで、週に一回、月に一回、3カ月に一回などの定期的な購入の支払受付にも対応ができます。
・実店舗とオンラインでの売り上げを一つのアカウントで管理
実店舗と合わせてオンラインでの展開も検討している場合、実店舗とオンラインでの売上を一つの管理画面でまとめて確認できると、効率がよくなります。
実店舗での決済には、無料で利用できるSquare POSレジを使いましょう。このワンステップを挟むだけで、実店舗での売り上げも、Square オンラインチェックアウトで得た売り上げも、一つのアカウントで全て確認できるようになります。
店舗だけでなく、オンラインで商品やサービスを提供する際に必ず検討するオンライン決済。この記事では、オンライン決済サービスの種類やメリット、また、導入するサービスを選ぶうえでは
- 購入者が、実際に通販サイトなどで利用している決済手段を知ること
- 資金繰りに困らないサービスであること
- セキュリティー対策が完備されていること
などが大切であることを説明してきました。昨今は実店舗に行かなくても、指先からすぐにほしい商品やサービスを手に入れられるオンラインへの進出が、売上拡大の鍵となっています。ターゲットとするお客様の年齢層や、割けるコストなどを明確にしたうえで、適切なサービスを見い出し、オンラインでのサービス提供をはじめてみてはいかがでしょうか。
ECサイト不要でオンライン販売が可能に
Square オンラインチェックアウトなら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2020年9月4日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash